自慢の恋人
初出:べったー/2017-12-24






聖夜といえば、そう。あれだ。

解っている。
本来の趣旨とはかけ離れているということを。
だが、そうだろ。
期待するだろ。

カミュは待っている。
パーティがダブルヘッダーな恋人が来るのを。

だがそれは実に過酷な時間だった。
西側の冴えないはずの男の部屋から、
下の、半年前に嫁に出て行かれた男の部屋から、
騒音が聞こえる。

耳を塞げばいいのだけれど、
うっかり屋な恋人は、合鍵を持とうとしないがゆえに、
インターホンを聞きそびれると、極寒の外で待ちぼうけをさせかねない。
イヤホンなど出来るわけもない。

耐えた。

心を無にするんだ、そうだ。
アレやコレな恋人を想像すると耐えきれないだろうから、疚しいことは考えては駄目だ。

カミュは精神を統一した。


ピンポーン

・・・。

ピンポーン

・・・。

ピンポーン


「!?」

今、鳴っただろうか。
カミュは平静を装い出る。
「はい。」
『カミュぅうう、寒いぃい…』
あの可愛い声が凍えている。
「ちょ、うおおおお!!悪い!すぐ行く!」

バタバタと走り、あわててドアを開ける。
ガタガタ震えた恋人が居た。茶色の長いコートを来ているようだがあまり暖かくないのだろうか。

「イレブン!悪い!」
「うわぁあカミュッ!!!」

玄関でひしと抱き合い、冷えた恋人を温めてやる。
「ハッピーホリデイ、カミュ。」
「ああ。」

体を温めるように腰を摩りながら、しっとりとキスをする。

「んッ…今夜を君と過ごせて嬉しいよ。」
「…来てくれてありがとう、イレブン。」

手を引いて、すぐそこだがテーブルまで連れて行く。

「ちゃんと部屋、暖めてあるから。」
「うん!」

何処で何をするかはわからないが、寒がりな恋人の為に少なくともリビングは多分、25℃はある。
お蔭でカミュは半袖だ。この12月24日に。
そんなカミュの気遣いにご満足いただけたらしい。

「あったかぁい。」
冷え切っていた指先を擦りつつもほんわかと笑った。

イレブンを誘うようにソファへ座ると、恋人はちょこりと座った。
そして何を言うでもなく何度もキスをする。
もう近隣の騒音何かは気にならなくなっていた。

「今日、間に合わないかと思ったぜ。」
「ごめんね。色々あって。」

カミュのところへ無理矢理来てくれたという状況だったので、文句なんか何もなかったのだけれど。

「そうだ。日付変わる前に。」
目の前の恋人に夢中ですっかり忘れそうだった。
「なんつーか…ありきたりなんだけどよ、プレゼント。」
「ほんとに?」

カミュは少しだけ得意げにペンダントを差し出す。男でも気兼ねなく身に着けられそうなデザインというのは中々探すのが大変だった。
「お前の誕生石ってことで。」
「すごい!ありがとう!」

カミュはそれを首にかけてやろうとしたのだが、気付いた。
「お前、こんなにあったかいのに何でコート着てんだ。さっさと脱げ。」

そう言ってコートのボタンを外そうとすると、彼はひょいっと立ちあがり逃げ出した。

「だめ。」
「は?」

ふふふ、と得意げに笑う恋人は最高に可愛い。どうやら何か隠しているらしいが。

「カミュ、僕がこんなに勇気を振り絞ることは多分二度とないから、括目してね。」
「ん?」

じゃーん、というちょっとダサい効果音と共に、イレブンがコートを脱ぎ捨てた。


赤い服、そして、白い脚すらーり。

「サンタさんです!」

イレブンは死ぬほど可愛いドヤ顔を披露している。
カミュは呆気にとられて単語を口走るしか出来なかった。

どうみても、
「ミニスカサンタ…。」

イレブンの服装を詳述すると、
ぺったんこな上半身には少し丈が長めの赤いベストのようなサンタ服を身に着けている。腰のあたりにベルトをしていて、肩は出ているようなのだが、白くてモコモコの縁取りがされた赤いケープのようなものを掛けているので見えない。
そして、下はと言えば、上着で隠れているが、白い脚はスラリと伸びているので、ミニスカートではないかと推測されたのだが。

「残念!流石にスカートではありません!」
「マジか!?」

カミュは仰ぎ見た。

確かにショートパンツだ。

「つーか脚…。」

カミュの大好物の足。

こんなに生脚丸出しでは、そりゃ寒かっただろうなぁとか、そんな感想が頭の中に沸いていた。
一種の現実逃避だ。
そしてじわじわ現実へ帰ってくる。

大事な大事な恋人は、良家ならではの聖夜のパーティに出席したあと、家でちまちまとこのエロサンタコスプレを身に着けて、寒い中やってきてくれたということだ。


「ぐわあああああ!!!やべぇ!」

カミュは直った。
こんなに神々しいものを前にソファでふんぞり返っている場合ではない。

「イレブンは女神なのか…俺に舞い降りた女神なのか…。」
「…なにそれ。」
「いや、何かもう現実じゃねぇみたいな…お前、俺の為にこんな服着てきてくれたんだろ?」
「うん。」
「あー…本当にお前は最高だな。」
「喜んでくれた?」
「実に。」
「サプライズ成功だね!僕も君になにか、って思ってたんだけど、何あげていいのか解んなくて、君ならこういうのが好きかなって思って。」

そうか、この姿は俺へのプレゼントか。

「それならもっと堪能させてくれよ。」
「もうちょっとだけだよ?」

警戒しつつ目の前までやってくる。そんな姿を見上げてしまう。
背の高いわりに、女みたいに見えるから不思議なものだ。

目の前には白い脚と、上着で隠れたショートパンツがあって、大変興奮した。
「脚、見せろ。」
「どうすればいいの?」
「ここに足載せて。」

ソファに座るカミュの前に立ち、イレブンはソファに足を載せる。

「ぐッ…これは・・。」
「カミュ、すきだもんね脚。」
「正確に言ってくれよ、お前の脚限定だからな。」

カミュの目の前にはまるで、見せつけるかのように白い脚がある。一体誰の為にこんな素肌を曝している?そう、俺の為だ。

「…舐めていい?」

趣向を知りつつも普段なら引かれるようなことを言ってみても、
「特別だよ?」
と、許可してくれた。実にたまらん。

カミュは、イレブンの顔をチラチラ見ながら、舌を見せつけるようにしつつ、白くてスベスベな太腿をゆっくりと舐め上げる。
「ッはんっ」
ビクビクと震えたのが解る。
「脚が好きなのはお前も同じだよな?」
「僕は脚フェチじゃないよ。」
「脚弄られるのは好きだろ?」
否定したそうなところを遮るようにチュッと吸い付くとまた声を漏らす。

「やべぇなこれ。」

白い脚に赤く跡をつけていく。舌を這わせて吸い付いて、イレブンが顔を火照らせているのを見つつ、煽るように舐めるのは最高に楽しい。

「すっべすべだよなぁ、ほんと。何かしてるのか?」
「別に何もしてないよ?普通にお風呂入って洗ってるだけで。」
「マジ国宝だろ。まぁ俺のもんだけど。」

内腿を手で摩りつつ感慨に浸る。普段の行為の時も触らせてはくれるが、脚だけを、という機会は中々与えてくれないから、脚だけを堪能する時間は特別だ。
内腿からゆっくりと上へ忍びあがっていき、付け根ギリギリを撫でる。

「それ以上はだめ。」
「そう言われても、すべすべ過ぎて、手、つっこんじまいそうだ。」

うっかり、ではなく、あえて、イレブンのショートパンツの中に手を忍ばせた。
「だめだめだめ!」
抵抗するように手首を抑えるが、指の腹で強くなでるとひんっと啼いて力が弱まる。

「つーか、この丈、相当ギリギリだな。」
「だから、もー、本当に恥ずかしいの頑張って履いたんだからね!」
「だろうな。ショートパンツっていうか、ほぼ下着みたいなもん」
「バカ!」
「うぐ」

白い脚で膝を軽く蹴られた。

「…ご褒美…。」
「カミュって、そのケあったっけ?」
「いや、煽ってみただけで、別に。」
「へぇ。試しにもう一回蹴ってみようか?」
「出来るか?」

下着の中に手をつっこむ。案の定怯んで蹴ることなんてままならないらしい。
「や、やだ…。」
「威勢はどこいったんだか。…お前左だよな。」
「え、ちょ、ちょっとまって!」

カミュは起ちあがり、逃げないよう後ろからイレブンの腰をぐっと掴んで、左手をズボンの裾から中に突っ込む。下着の下を手を伸ばすと、すぐそこに感じ始めているイレブンのペニスがあった。
「まって、まってってば!ひゃあん!」
「無理矢理イかせたりはしねぇって。」

優しく触れられると余計に感じるようだ。ぴくんぴくんと震えるのに、カミュはひっそり笑う。焦らすようにさすると、力が抜けていき、カミュにもたれ掛ってきたので、そのまま崩れるようにソファへ座り込んだ。カミュの腰の上に座る形になったが、尻に固いものが当たっているのに気づく余裕もないらしい。

「うぅ…。」
「ここ触られて感じるなんて久しぶりじゃねぇか?」
「そ、それは君が、中ばっかり弄るから…。」

中の弄り過ぎか何か解らないが、最近はすっかり中でイってしまう。お蔭で前を弄るヒマがあまりない。

「全部カミュのせいじゃないか…!」
「だから、久しぶりに前をだな。」

突っ込んでいる指先で、男のイイ場所をつんつんと刺激すると高い声を上げつつ、ビクビクを震わせる。

ヌルヌルと鈴口を弄りじわじわ煽る。だが煽られているのは自分自身でもある。イレブンの可愛い声が漏れているし、ズボン越しとはいえイレブンの柔らかい桃尻が股間にこすりつけられている状況に、興奮しない訳がない。

「イレブン?」
「なに…?」
「このまま下着の中でイっちまうのと、中一杯ゴリゴリされてぎゅんぎゅんイくのとどっちがいい?」
「…選択肢がひどい…。二番目の方がだいぶ…っていうか、いつものだよね?」
「まあそうだな。じゃ、まぁいつもの気持ちがイイのするか。」

イレブンを向い合せに座らせて、ちゃんとキスをしてやる。舌をたっぷり絡めて、味わいあうようなキスにイレブンの体から緊張がとけていく。
何時もの通りであれば、ここでズボンをさっさと下ろしてしまうのだけれど、今日は折角のサンタだ。

「着たまま、だよなぁ。」
「着たまま?スカートじゃないから入らないよ?」
「だよな。」

ずらして、というには素材が固すぎる。
カミュはイレブンを下ろして、そそくさとサイドボードへ向かい、引き出しから取り出した。

「切るか。」
「え?」

カミュの手にはハサミがある。

「やだ!まって、え、ほんとに?」
「大丈夫、傷つけないようにするから。」
「当然だよ!って、え、どういうこと!?」

歩み寄ってくるカミュから逃げるように後退したが、当然追い詰められる。
「やッ!」
カミュは抵抗をものともせず、ズボンの股部分を持ち上げて、有無を言わさず、ザクザクと切ってしまった。

そして、唖然としているところ、スルリと下着をはぎ取ってしまう。
晒されたイレブンのペニスはさっき弄られていたためか、わずかとはいえ起っていて、それに興奮した。

「これでほぼミニスカサンタだな。」
「うぅ…。ホントにこんなことしちゃうなんて…。」
「寒がりなお前には着衣プレイはちょうどいいだろ?」

ケープを外すと白い肩が現れる。女にしては張っている肩だ。そこにキスをして跡をつけまくった。それからまたソファにちゃんと座らせて、脚を抱えるよう指示をだす。
「うぅ…恥ずかしい…。」
サンタの上着を来て、切られたズボンを身に着けている姿は、聖なる夜に相応しくないほどに淫乱だった。

まだ触れられていない秘部は、きゅっと口を閉じている。
「ちゃんと解すから、な?」
きっちり準備してあったローションを手に取る。手のひらで少し温めてから、まずは秘部の周りをクニクニと刺激し、それからゆっくりと中指を侵入させる。
ぬぷッ
「あ…。」

ぬたっ、くちゅ…

「んぅ…。」

ぬぷ ぬぷ ぬぷ

漏れる声を必死に抑えながら、解れていくのを感じる。何かを指示されているわけでもないのに、カミュの目を見つめてしまう。カミュは優しい目をしてイレブンを見つめ返していた。
「どうした?」
「うぅん…。」
「気持ちがいいか?」
「…うん。」
チュッとキスをされると、恥ずかしい気持ちが少し薄れる。

くちゅくちゅ

「ッ…はぁ…はぁ…。」
「お前の好きなところ、触ってやるからな?」

宣言をしてからカミュは指を一本増やして、イレブンのイイ場所をカリっと擦った。
「あ」
ビクンを体を跳ねさせる。
「ん、カミュ、そこは…」
「ああ。お前が可愛い声だす場所だぜ?な?気持ちがイイんだもんな。」
「だめ…。」
「なんで?」

優しい声で責められながらイレブンの理性がじわじわ薄れていく。

「あ、あ、だめ、カミュだめッ…。」
「ほら、サンタさん、可愛い声出して、俺のこと興奮させて。」
「だめ…ちがうの、んあぅッ」

ぐちゅ ぐちゅ ぐちゅ ぐちゅ

「んぁああ!!」
ビクン、と背を反らせる。
「まだイっちゃだめだぜ?」
「むり…イっちゃうから…だめ、だめ」

じゅぶ じゅぶ じゅぶ じゅぶ

指は激しさを増して、荒々しくポイントを責めた。胸をビクンビクンと跳ねさせながらイレブンは声を抑えることも出来ず、高い声で喘いだ。

「あッ!ああああんッ!!だめ、だめぇッ!!イちゃうぅうう!!んッ」

ビクンッ

腰が持ち上がり大きく震えた。

「イったんだ?」
「ッはぁ…はぁ…かみゅのせいだよ…。」

荒く息をしている恋人の顔にキスを降らせつつ、間近でもう一度イき顔を拝もうと、耳元で囁きながら再び指を蠢かす。
ぬちゃぬちゃという卑猥な音と合わせて、言葉で敏感にさせていく。

「聖夜に家族と食事してきたのに、この指でいっぱい気持ちよくなりたいから態々俺のところまで来たんだろ?」
「ちがうッん…」
「指だけで雌アクメきめるんだもんな?そのために来たんだろ?」
「ッあ…あん・・・ちがうの、ぼくは…ッ」
「僕は?」
「君と…ッ…や、やんっ」
「ん?」

くちゅくちゅくちゅくちゅ

「君と、いっしょに、すごしッ…すごしたくて…ッあ、あッ!!やだッ!」
「俺にイイところ一杯触って欲しかったんだろ?聖夜を雌キメながら過ごしたかったんだろ?淫乱なイレブン。」
「やだぁッ!」
「気持ちがイイとこいっぱい触られて、すぐにイイ声だしてイっちゃうんだよな?」
「やらッ、だめ、だめッ!い、っちゃうぅッ…い、イくッ、イくッ…!」

ビクンッ

「あんっ」

ビクッ…ビクッ

イレブンは腰を震わせる。

「またイったな。」
「ちがう…。」
「強がりだな、全く。それも可愛いんだけどよ。」

指を咥える秘部がぎゅうぎゅうと締め付けている。確実にキめてしまっただろう、これは。

「あ、あー…あー…」
「相変わらずお前、本当にエロいよな。」
「っう…ん、ん、…カミュ…。」

息が整ってきたところを見計らってキスをする。

「マジでたまんねぇよ。」
「カミュ…。」

早く入れたい。その中で一杯気持ちよくなってしまいたい。けれど、こんなにトロトロでコスプレをしているイレブンなんてそう拝めるものじゃない。もう少し楽しまなければ。

「なあ、ココのほかに、もう一か所、お前の大好きな場所あるよな?」
「だいすきな…、ッ!?」

気付いたらしく顔をさらに赤くして目を逸らした。

「そこも一杯弄って欲しいだろ?」
「ほしくないっ!」
「本当に?体に聞いてみるか?」

カミュはそろりと近寄って、おおむね予想の出来ている場所にパクリと服の上からしゃぶりついた。
「ッあぁああん!」
「ほら、乳首舐めて欲しいって、体がいってるぜ?もう固くなってるしな。」
サンタシャツの上からペロペロと舐めつつ、甘く噛んで刺激する。
「服の上からは歯がゆいだろ?服捲ってくれたらちゃんとたっぷり愛撫してやるよ。お前の大好きな俺の指と、舌で。」
「ッ…ふぅ…ん…はずかしぃ…」

そう言いつつもイレブンは上着の上にしてあるベルトを外し、ゆっくりと自分の服を捲し上げる。現れた乳首はピンク色で、ツンと立っていた。恥ずかしがる顔と合わせて最高に可愛い。

約束通りに意識させるようにゆっくりと舐め上げる。
「ふぅッ」
耐えるように息を飲むのが腰に来る。イレブンの乳首を舐めつつ、引き続き緩慢に穴を刺激しつつ、カミュは自分のベルトを外し、ファスナーを下ろす。正直今すぐ入れたいくらいに興奮しきっている。

「イレブン、お前が穴に欲しいって言うまで、乳首たっぷり舐めてやるからな。欲しくなったらいつでも欲しいって言えよ?俺のガチガチのでたっぷり気持ちよくしてやるからな。」
「やめて…そういう、いいかた、ずるいよ…。」

イレブンは恥ずかしくて堪らなかった。
自分の乳首を舐めてもらうために自ら服をめくりあげて、穴に入れられた指に体を震わせながら、声を抑えきれないでいる。
くちゅ、くちゅと音を立てて乳首を食んだり舐めたりこねくり回している恋人は時折、イレブンの顔を見て、舌なめずりをし、キスを与えてくれる。
正直、指も胸も気持ちがいいけれど、一番欲しいと思わせるのは、時折見つめてくるその青い目だったりする。スケベな事ばかりで、時々意地悪で、振り回してくるけれど、何処までも広くて、優しい目。そんなこと舌を噛んででも言わないけれど、自分はこの海に溺れてしまったのだと自覚はある。

羞恥に耐え「欲しい」というまで、このままだろう。中々に頑固な恋人だから。

「カミュ…もう、だめ。」
「だめ?」
「んぅ…。」

ぷちゅぷちゅと音を立てられながら、乳首はもう痛い位に立っている。

「カミュ…あの…。」

男はイレブンの言葉を待つ。恥ずかしさに目をぎゅっとつぶっている。目の下を真っ赤にしているのは、気持ち良さより羞恥心だろう。入れたくて仕方がないのはカミュの方だったがそれを必死で隠すようにイレブンを煽っている。

「あの…その…カミュの、いれてください…。」
「どこに?」
「んッ…ぼ、ぼくのなか…。」
「口ってこと?」
「した、したの…。」
「俺はサンタじゃねぇんだから、欲しいものちゃんといわねぇとわかんねぇよ?」

サンタ服のボタンをツンツン弄りながら、猥語を言うよう促す。
イレブンは「んー」とうなっていて、まだ覚悟が決まらないのかモジモジしているので、改めて体を弄りだす。
乳首は指に任せておいて、口は再び脚へ向かう。さっきとは違う脚にキス跡をつけて回る。じんわり汗をかいているのが堪らない。

「早く言わねぇと、跡つける場所が無くなっちまうぜ?」
「だって…んッ…カミュ…。」

胸を弄る指をどかして、イレブンは上体を起しカミュの首にしがみ付いた。
耳元に息がかかり、カミュの心臓がドクリとうつ。
少しの沈黙の後。

「ぼくの…えっちなところに、カミュのあついの、ちょうだい…?」

少し外が騒がしかったら聞こえなかったであろうくらいに小さな声で、甘く囁くようなおねだりだった。
正直、猥言責めにしては落第点だが、呼吸も顔も声も、目も、全部可愛いので合格とした。

「今回はオマケだからな?」
「んぅ…。」

何時も可愛いので、毎回オマケになる気はしたが、まあいい。

カミュはさっさとズボンと下着を脱ぎ捨てて、ローションでぐちゃぐちゃな秘部に亀頭をグリグリこすりつける。
「あっ、カミュ…キスしたい…。」
たっぷりと齧り付き、深くキスをする。糸が引くほどのキスの後で、見つめ合う。

「イレブン。…お前と過ごせて、本当に嬉しい。」
「カミュ…。」
「お前のこと、滅茶苦茶にしといてなんだけど…。」

今日一番に優しく抱きしめて、耳元で囁く。

「愛してるから、心から。」
「カミュ…僕も、大好きだから…今夜は、一番近くにいて…。」
「ああ、そのつもりだ。」

跡だらけになった足を抱えるようにして、少し力を入れるだけで、ぬぷりと入った。中はドロドロで、とても熱い。
「ッ…かたい…。」
「お前が可愛いからいけないんだぜ?」

ぬちゅ、ぬちゅ  どちゅん。

「ッあ!」
「ほら、お前のエロいとこだろ?」
「んぅう…きもちいい…。」
「ほんと淫乱だよな。」

抜ける寸前まで抜いてから、どちゅん、と奥を突く。
「ふあぁっ」
突かれる度に体をビクビクさせて、締め付けてくる。
「たまんねぇ。」

腰を緩慢に動かす。
見つめ合いながらの抽挿は何だか格別だ。
速い時ほどの刺激はないけれど、イレブンに熱を刷り込んでいるようで気持ちがいい。時折律動を止めて、服の下の乳首を弄ったり、キスをしたりすると、イレブンが恥ずかしそうにして、可愛い声を漏らして、まさに愛し合っていると思える。

カミュから見ればイレブンはほぼ完ぺきだった。
笑っても泣いても可愛らしい。時には美しく、時には儚く。
だからこそ乱したい。

「激しくするからな。」
「ん…」

ごりゅごちゅごちゅごちゅ

「んぅッ、あ、あ、あんッあん、」

じゅぱじゅぱどちゅどちゅ

「っあああ!!んッ、らめ、ッあんっ」
「何がダメなんだ?すげぇ締まってて、すげぇ気持ちがいいだけだぜ?」
「あんッ、かみゅッ、かみゅっ!!」
「その声、マジで腰くる。気持ちが良すぎて壊れそうだ。」

「ッはぁん!」
「俺ので雌キメてくれるか?」
「あん、あんッ、かみゅ、んっ」
「じゃあ気兼ねなく。」


ばちゅばちゅばちゅばちゅ

ごりゅん

「っああんッ!」
「あー…先走りとまんねぇよ…」
「かみゅっ…うぅッ…」
「どうした?」

動きを止めて、キスをしてやり何か言いたげな恋人の言葉を待つ。

「からだ、ぴったりしたい…。」

カミュはイレブンの腕を背中に回すように促してやり、体をぴったり合わせる。そうはいっても、上は服を着ているので、直肌同士は合わせられないのだけれど、イレブンはギュッと抱きしめてきて、跡だらけの足でカミュの腰にしがみ付く。下半身だけがピタリをくっついているせいか、より意識がそこへ向かい、何だかいつもより肌の熱を感じる。

「あつい……。」
「部屋あついか?」
ううん、と半分飛びかけている意識の中で首を振る。そして僅かに目が開かれて、かちあって、ふふっと笑った。
「カミュ、あつくないの?」
「熱い。」
「ぬがないの?」

そう言われて半袖のシャツを脱ぐ。それからまたピタリを肌を合わせると、穴がきゅっと締まった。
「かみゅのにおい…」
「汗臭くないか?」
「うん…。」

チュッチュとキスを繰り返してから、カミュは今度こそ恋人をイかせるべく腰を振る。

ばちゅ ばちゅ ばちゅ ばちゅ

「んふッ、あ、あ、きもちィ、きもちぃ…!!」
「最高に気持ちがいいぜ?」
「ナカ、だして、なかにいっぱいだして、もっと、もっときもちよくしてッ…!」
「淫乱サンタめ…。たっぷり出してやるよ、奥の、奥になッ…!!」

ばちゅんッ

「っあんッ!!!おくぅううッ!おく、…おく…」
「奥すきだろ?」
「すき…すきッ…!あんッ!!」

ばちゅん、 ばちゅん 

どちゅどちゅ、じゅぷじゅぷ

「ひゃああッ!あッ!あぁん…あ、あ、いく…」

甘く、可愛らしい嬌声がカミュの耳を責める。

「イく、ッい、いっくぅッ…!あんッはぁ、うッ…あん、あ、あ」

珍しくイレブンが爪を立てた。背中に食い込む。その痛みさえ気持ちがいい。
「はぁ…気持ち良すぎて腰とまんねぇよ…!!たっぷり出すからな…!」
「だしてッ、だしてッ!おく、あついの、かみゅのあついの、ちょうだいッ!!」

体にぎゅっと抱きつきながらもイレブンは背を反らす。腰を掴む脚がビクンと痙攣し力む。

「イっちゃ、いっちゃううう!!!かみゅ、ッ、かみゅっっ…!!ッはぁああっ…あん・・・」

腰を数度大きく跳ねさせて、イレブンの嬌声が止まり、うっ、という声を漏らしながら小さく震えた。
ぐっと締められた秘部の気持ちよさに、カミュは射精した。
全部出切ってしまったんじゃないか、というくらいに精液が止まらない。
とてつもない射精感に意識が一瞬飛びかけた。

「ッ…」
「はぁ…かみゅ…。」

奥へ突っ込んだまま、互いの息が整うのをまつ。
「はぁ…はぁ…」
「んふッ…かみゅ…。」

呼ばれて、見つめ合って、キスをして。
その間もイレブンの足がカミュを手放す素振りはない。

「…はぁ…イレブンサンタまじ、淫乱。」
「全部カミュのせいだよ…。カミュが…ぼくを、こんなふうに…しちゃったんだよ?」
「まぁそうだな。素質があったのはお前のせいだけどな。」
「んッ…ぼくたち、相性、イイ?」
「最高に決まってる。」

イレブンがペロっと舌を出すので、それをペロっと舐めてやる。そのまましゃぶり合い、咥内を求めあう。熱くて一つになった気分だ。

「…で、まだ萎えてねぇんだけど?」
意識させるように、ぐっと押し込むとビクンと震えた。
「あん!・・・あんッ…はぁ、ッ。だめ、いま、びんかんなの…。」
「知ってる。雌の後、どこもすげぇイイ声出すもんな。今のもすげぇエロかったぜ?」
「やだ…。カミュ…。」
「ん…?」


「ベッドいきたい。」


きゅっと秘部が締まって、まだまだ続きを欲しそうにしている。
「寝室、ストーブたいてねぇよ?」
「君が居れば寒くないもん…。」
腕を伸ばしてギュッと抱き着いてくるのが可愛らしい。
思わず興奮して、またぐっと突いてしまった。

「っあん・・・もう。あと…君のくれたペンダント…」
「後でな。まだ淫乱サンタを堪能したいから。」
「ん…。」

ご要望に応えるべく一度引き抜くと、ドロリと精液が溢れてきた。口はパクパクと失ったものを求めている。

カミュはイレブンを抱え上げ、寝室へ向かった。



日付はとうに過ぎていたが、
2人は時を忘れてたっぷり愛し合った。


そして夜はあけた。






「腰痛い…。」
「解ってる。けど、煽ったのもお前。もう一回、って言ったのも珍しくお前。」
「しかも寒い。」
「それは悪かった。」

カミュとイレブンは2人で部屋を出る。
どうせ下着レベルにショート過ぎたショートパンツだったのだから、あまり変わらない気がするのだが、現在イレブンは、コートの下の下半身は下着以外何もつけてない。
流石に切られたショートパンツは履きたくなかったらしい。しかも意趣返しなんだろう、「カミュのズボン丈合わないからいや。」とか言いだす始末だ。…カミュとしてはその状態も嫌いではなかったので、無理は言わなかったのだが。
なので、カミュが車で家へ帰すことにしたのだ。本当はこのままデートのつもりだったが、仕方がない。
「本当にやばいなお前。…下着まで切っておけば、今頃、ノー」
「ばか!外でそーいうこと言わないでよ!」
背中をぺちっと叩かれる。
「まぁもしそんなんだったら、勢いでカーセッ」
「ああッ!もう!ダメ!変態!変態!変態!」
「やべぇ、その声マジ可愛い。するか、車で。」
そんなことをしていると、隣の部屋の男がドアから出て来た。そういや、昨日はお楽しみだったはずだが…。
向こうもカミュに気付いて、少し気まずそうな顔をしつつヘコヘコ頭を下げる。ついでにイレブンを見て、鼻の下を伸ばした。
「…なにか?」
牽制目的で声を掛けると。
「…昨晩は、ご馳走様でした。」
煽るように言い残し、逃げるように隣人は去って行った。

イレブンは頭から疑問符を出しているが、カミュは硬直した。


昨日、隣の部屋の声が聞こえてたということは、イレブンの可愛すぎる喘ぎ声だのおねだりなんかが全部筒抜けだったわけだ。…下手したら何回やったのか、とか。雌キメさせられているのだ、とかまで解るだろう。
やっちまった。

「カミュ、お隣さんに何か御馳走したの?」
「あー…まぁ。ほら、さっさと車行こうぜ。」
「うん。」


カミュは、引っ越しを検討した。















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