盗賊の女神
初出:べったー/2018-08-14





「ったく、雑魚じゃねぇか。何手間取ってんだ。」
「すいやせん、お頭。」

出来の良くない部下に小言を零しながら、盗賊の頭は馬に跨り砂漠を往く。

「ほんと、学習しねぇな。」

少し苛立ちながら、道を急ぐ。
これから少し砂漠の気候は荒れるだろう。
足跡を消してもらえるのはありがたいが、砂嵐の中移動するなど自殺行為だ。
それに帰りを待つ者も居る。

冷えはじめた砂の上、馬を走らせ、少し風が舞い始めた頃に無事、アジトへたどり着いた。

「お頭のお戻りだー!」

部下たちが騒ぎ立てているのを横目に、男は足早に自室へ向かった。

「戻った。」

部屋を間仕切る布を乱暴にめくりあげ入ると、ベッドの傍らに妹の姿がある。
「兄貴が戻って来たぜ、またな。」
「うん。」

妹はつまらなさそうな顔をして、兄の隣を通り過ぎて部屋を出て行った。
男は素知らぬ顔をして、ベッドのに近寄り、天蓋を捲る。

「お帰りなさい、カミュ様。」

ベッドの上で“女神”が笑う。

「戻った。」

そっと身を屈めると、“女神”は身を起して、そっとキスをしてくれる。

その女神は、女ではない。
だが、カミュと呼ばれた男が何よりも美しいと思っている男である。

男と呼ぶには幼い顔、
髪は上質な生糸よりも美しく、肌は砂漠のモノと思えぬほど白く、
小さな桜色の唇は、愛らしい声で名を呼び、微笑む。

美しい四肢を邪魔せぬようにと、腰に巻かれた僅かな布の上に、透けるほど薄いシルクの布を身にまとっている。
頭や首、腰に今まで彼が手に入れてきた美しい宝飾品で飾られている。

盗んできたその少年そのものが、真の宝である。

何より愛しているのに、
宝箱をいともたやすく開錠するほど器用な男は、
お前に会いたかった、といえない程度には不器用だった。

「マヤと何をしてた?」
「ただのお喋りだよ。」
「そうか。」
「…疑うの?」
「そうだな。」

カミュと呼ばれた男は上着を脱ぎ捨て、ベッドに身を投げた。

「イレブン。」

男が女神を呼びつける。
女神は四つん這いで寄って来て、カミュの唇やエラにキスをする。
だが男はそれを制するようにイレブンの顎を掴んで引きはがした。

「機嫌悪い?」
「…そうだな。」
「…いつものマッサージ…する?」
「ああ。」

イレブンは薄いシルクを脱ぎ捨てて、一言断りカミュのズボンも脱がす。
カミュの背中に枕を置いて、少しだけ体が起きる様にする。
それから近くのチェストから香油を出す。

「普段と違うな?」
「うん。」

最近少し苛立ち気味な男の為に、リラックス効果があるという香りが付いたものを、先ほど喋っていた男の妹、マヤに頼んで買って来てもらったのだ。

「好きじゃない?」
「いや、いい。」

少年はそれを手にたっぷりと取って、自身の内腿に塗りたくる。
「んっ…」
カミュの視線を感じながら、自分の陰嚢や陰茎にも塗り込む。
「ッ、はぁ…」
馴染み、温まったところで、失礼します、とカミュの左脚の太腿の上に跨った。
そしてゆっくりと腰を下ろす。

「ッ…あ、」

ぬるり、とした感覚にカミュも興奮する。
「カミュ様の脚、硬い…凝ってるのかな…」
「しっかり解せよ?」
「うん…」

イレブンは、前に手をついて、ゆっくりと腰を振り始める。

「ああッ…!」

マッサージと称しているが、それはただ悦ばせるものだ。
美しい男を言い成りにする喜びに浸る。
腰にまとった布のお蔭で直接見えないのだが、熱がぐりぐりと動いているのを感じる。

「しっかり擦りつけろ、外れてるぜ?」
「ごめん…」

少年は布の上から陰茎を押さえるようにして、腰を振り続ける。

ぐちゅぐちゅとオイルの混ざる音がする。

「ふぅっ…はぁ…」
「尻も使え。」
「うん…」

手を後ろについて、重心を下げる。
柔らかい桃尻に脚が挟まれる。

「あッ、あんッ」

膝を使ってゆっくりとグラインドする。
カミュは長く美しい脚と、温かい尻の熱を味わっていた。

布地の下を覗き込む。
「良く見えねぇな。」
布をペロリと捲った。

「あ、やんッ」
「ここからも漏れてるぜ?」

イレブンの幼い陰茎から、とろりと蜜が溢れている。

「自分のまで一緒に人の脚に塗りたくりやがって。」
「ご、ごめん…」
「そろそろ右脚に移れ。」
「うん…。」

起き上がり起ちあがろうとするところで、その幼いペニスを指で軽く弾いた。

「ひゃああん!!」

男にしては高い嬌声が響き渡る。
はっとして口を塞ぐ。

「声は抑えるなって言ってるだろ?」
「でも、みんなに」
「聞かせてやれ。いいオカズだ。ほら、右脚だろ?」
「う、うん…。」

快感からか少し力が入らなくなってきているイレブンは、倒れ込むようにしながら今度は右脚に跨り、ゆっくりとグラインドを始める。

ぬちゅ  ぬちゅ

「んっ…ふぅ…きもちいい…?」
「悪くねぇ。」
「よかった…もっと…きもちよくなって…ッ!」

裏筋と太腿がオイル越しに擦れる。
自分の脚で、自慰をしているようにさえ見え、カミュは高まる。

この少年とどれだけ交わったか、もう数えることも出来ない。
もう無垢ではない。だが今なお美しい。

「イレブン、そろそろ。」
「うん…」

イレブンは自慰を止め、よたよたとカミュの脚の間に座り込む。
そして、カミュの口にしゃぶりつきながら、
滾りだしているカミュの陰茎をゆっくり摩る。

イレブンの香油で濡れた白い指が、カミュのグロテスクとさえいえる程の立派なモノをゆっくりとさする。
親指で裏筋を撫で上げ、指先が陰嚢を揉みしだく。
指で輪を作り、張り出している雁首を扱いた。
片手は陰嚢を優しく撫でまわしている。

「あ…あ…」

息苦しそうな呼吸を繰り返しながら、舌を必死に絡め、咥内を弄ろうと伸ばし入れてくる。

「ん、んッ」

くちゅくちゅと、唇からも指先からも音がして、少年は1人煽られていく。

「カミュさま…カミュさま…」

愛らしい声に頬が緩むのを耐えながら、カミュは必死な舌を可愛がってやる。

「あ…ッ、かみゅさま…」

扱くのが早くなると同時に息も荒くなる。

ぬちゅぬちゅぬちゅぬちゅ

「あッ、あッ、あッ、あッ、」

じゅぱじゅぱじゅぱじゅぱ

「ああ…出すぜ?」
「うん…ッ!」

愛おしい指に扱かれて、カミュは吐精した。
まだ若い男の精力は逞しく、吐き出されたモノがカミュの上半身に掛かった。
絞り出すように扱かれ、溢れ出たものがイレブンの指を汚した。

「はぁ…はぁ…出た…」
「ああ。中々巧くなった。」
「ありがとう…おそうじするね…」

イレブンはまず自分の指に付いたザーメンを舐め上げる。
「んッ…」
濃いそれに少し苦心したらしいが、舐め上げて綺麗にする。
それから、身をかがませ、カミュの体についたものを舐める。

舐め、吸い上げる。カミュの体も一緒に舐めていく。

ザーメンを絡めた舌で乳首を舐め上げる。
「ッ…」
見上げてくる視線と刺激にゾワリとして思わずあがりそうになった声を抑える。
それに気づいてか、ゆっくりと優しく舌で乳首を責めたててくる。

ぷちゅり くちゅり

少し困惑した目でイレブンを見ると、ちょっとだけ目元が笑った。

余り続けると怒られることは解っている。
イレブンは反対の乳首を数度舐め上げてから、腹に付いたザーメンの掃除に取り掛かった。

四つん這いになり、尻を突き出すようにしながら、腹や恥骨のザーメンを舐め取る。

「ここもお掃除するね…。」

まだ半勃ち状態の陰茎の先端をツンと舌でつっついてから、舌でチロチロと鈴口を舐める。
それから亀頭を舐めで、ゆっくりと頬張る。

ぶちゅり

「んッ…」

竿の中に残っているザーメンを吸い上げるようにしながら、
香油でどろどろの指でゆっくり、陰嚢を弄る。

ただの掃除ではない。
もう一度滾らせるための行為。

じゅぷ じゅぷ

「あ…」
息をするために引く抜く度、唾液と先走りがつぅと糸を引く。
さっきよりも硬くするべく、イレブンは竿全体を舐め上げ、筋や陰嚢にもしゃぶりつき、甘く唇でかむ。
それは次第に大胆になり、荒い息が漏れる。

「んッ…あ…はぁ…はぁ…」
「どうした?」

解り切っている問いを問う。

「カミュ様…ほしいの…」
「どこに?何が?」
「僕の…中…僕の、淫乱な体に、カミュ様の熱が…。」

美しい髪を掴み、頭を持ち上げ、濡れた唇にしゃぶりついた。
イレブンが舌を求めるように吸い付いてきて、カミュはたっぷり応じてやる。

「はぁ…はぁ…」
「欲しいんだろ?お前の受け口の準備をしないとな。」
「うん…」

イレブンは四つん這いのまま、カミュに尻を向ける。
小さな布から美しい尻が覗く。

「どうやって準備をしてやればいい?」
「指で…一杯広げて…僕の、いやらしいとこ…。」
「広げるだけで良いか?」
「カミュ様の指で、気持ちよくなりたい…」

イレブンの淫部は、先ほどの香油マッサージですっかりヌルヌルになっている。
カミュは周りの香油をかき集める様にしながら、ゆっくりと淫部に指を入れた。

ぬぷり

「ひゃんッ!」
「直ぐに入っちまったな。本当に淫乱な女神だ。」

人差し指で広げる様にしながらぬぷぬぷと触っていると、すぐに柔らかくなってくる。

「さっきの香油使うぜ?もっとぬるぬるにしてやるからな。」

2本目、3本目と指を増やしても、貪欲な淫部は銜え込んでいく。

少し乱暴に中をかき乱すと、甲高い悲鳴を上げながら、しかし指を離すまいと強く咥えこんでくる。

「本当に卑猥だな。…こんなに卑猥で淫らな女神を捕まえて、連中はどうするつもりだったんだか。」
「あッ…きもちぃ…」
「男の尻の穴に指を入れられて気持ちがイイなんて…不貞な女神だ。」

責めるような言葉を囁きながら、中のイイ場所をゴリゴリと擦り当てる。
イレブンが身を震わせる度に、全身の装飾品がジャラジャラと騒ぐ。

「ひゃあああん!あああんッ!」
「もっと声、出せるだろ?」
「あんッ!や、だめえッ!!」

ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ

「あんッ!あんっ!イっちゃううう!!」
「これだけでイくのか?」
「はぁ…いっちゃう…カミュさまッ!」
「ならイけよ。ほら、外で聞いてる男達が、全員席を立つくらい、イイ声を上げてな。」

カミュは指のみならず、腕も使って激しく中を擦った。

「やあああん!イクッ!!いくぅうううう!!」

ビクン、と体が震える。指を咥える淫部が締まる。

「あ…あ…」
「イったか。」
「イっちゃった…カミュさまの、ゆび…きもちよくて…」

ゆっくりと指を引き抜くと、体が崩れ落ちた。

顔が見える。
目は潤み、唇は充血し、涎でドロドロだった。

「解してやったぜ?次はどうしたいんだ?」
「カミュ様の…大きなの…」
「自分で入れろよ。」

カミュは体を寝かせ、やってくるのを待つ。
イレブンは四つん這いで寄って来て、カミュの顔を覘き込むようにしながら、腰を跨いだ。

「はぁ…はぁ…」

息が荒いままだったが、腰の上にしゃがみ、カミュの熱をそっと握り、淫部に宛がう。

「うッ…」

指3本でも到底及ばない程に雄々しいカミュの男根の亀頭を、自ら押し付けて、広がった穴に押し込む。

ぐぷり
「うッ…」
ぬぷん
「あ…はいった…」

そして自らの体重を使い、ゆっくりと、ゆっくりと押し進める。

ぬぷ、ぬぷ

「んッ…はぁ…」

ゆっくりと腰を下ろし、最後の最後まで銜え込む。
「あ…あ…」

ズンッ

「ひゃんッ!」
「奥まで入ったな。」
「はい…あぁ…カミュ様の…硬くて…すごく、きもちがいい…」
「入れただけで満足だったか?」
「ん…腰、振っていい…?」
「正確に言えよ。」

イレブンは真っ赤な顔を俯かせて、呟いた。

「カミュ様の、硬いので、気持ちよくなっても、いい?」

カミュはその姿に満足する。

「いいぜ?イイ顔一杯みせろよ。」
「うん…」

イレブンはゆっくりと腰を振る。
上下に擦るように、前後に舐るように。

ぬちゃぬちゃと音が立つ。

イレブンの陰嚢がカミュの腹に擦れる。

「んっ…んっ…」
「色んなとここすれて、気持ちイイだろ?」
「うん…カミュさまの…きもちぃ…」

男が妖艶なんて、そんなものありえないと思っていた、特殊性癖だと。
だが、目の前にいる、男の陰茎で気持ちよくなるために腰を振っているこの少年が、妖艶以外のなんだというのか。

「不思議なもんだな…お前と俺、同じ男とは到底思えねぇ。」

イレブンはすっかり羞恥心など捨て去って、
脚を大きく開き、重心を下げて、イイ場所に亀頭を擦り当てようと激しく腰を振っている。

「カミュさまっ…ぼく…」
「イきそうか?」
「んッ…あ、はぁ…」
「イってもいいんだぜ?」

イレブンは眉を顰め、イくのを耐えている。
タオルを捲ると、オイルでテカる幼い陰茎からは蜜が溢れているのが見えた。

「あ、あ、」
「可愛いもんだな。」

カミュは腕を伸ばし、サイドボードの小物入れからリングを持ち出す。
宝石の散りばめられたリングはカミュが特注で作らせたものだ。
リングとはいえ指に嵌めるためのものではない。
幼い陰茎の付け根を縛るためのものである。
これから何をなされるか解っているイレブンは自ら腰を止めた。

カミュは、リングを広げ、震えている陰茎を数度優しく撫でてから、傷つけないようそっと付け根に回して、優しく締め上げる。

「あ、ああ!」
「俺がいいって言うまで出しちゃ駄目だぜ?」
「…うん。」

それからイレブンは再び腰を振り始める。

「はぁ、はぁ」
カミュの顔を見る。そして、つけられたリングを見る。
支配されていると思うと、それだけで高まった。

この青い目に視姦されている。
男の陰茎を貪って、高まっているのを見られている。

「ッあああ!!」
じゅぱじゅぱと淫部から先走りが溢れてくる。
「あっ、あっ」
愛する人のものが出て行ってしまうのが惜しくて、淫部を締め付ける。
「ッ…」
「かみゅさまッ、かみゅさま!」

重心を下げ、気持ちがイイ場所にカミュの亀頭を強く擦りつけた。

「イクッ…いくッ…あ、あ、あああ!」

イレブンの頭の中は真っ白になった。



カミュは腰の上のイレブンが、背をそらし、強く男根を咥えたまま達しているのを見上げる。
ビクンビクン震えている。

「ッ…かみゅさま…」

呼ぶ声は儚かった。

「イレブン…」
「カミュさま…」

カミュは上体を持ち上げ、反っているイレブンの体を引き寄せて、優しくキスをした。
不器用な舌が必死に求めてくるのに応じてやる。

「んッ、ん」
くちゅくちゅと唾液が溢れるのも構わず、必死にしゃぶりついてくる。
求めてくる唇を突き放し優しく抱きしめる。
触れる首飾りがひやりとしたが、構わなかった。

「カミュさま…」

首に顔を埋める様に抱き着いているのをそのままに、カミュはさっき脱ぎ捨てた服から、首飾りを探りだした。

「イレブン、これを。」

イレブンがゆっくりと体を離してくれるので、白い首にそっとかけてやる。

「きれい…今日の収穫?」
「碌なもんが無くてな…それが一番マシだった。お前がするには安っぽいけどな。」
「ううん、すごく綺麗…」
「付けてるお前の方が余程綺麗だ。」

何時も言っている言葉なのに、何時ものように顔を火照らせる女神に、そっとキスを贈る。
幸せそうに抱き着いてくるのを優しく受け止めて、愛し合うキスを繰り返した。

イレブンの呼吸がすっかり落ち着いてきたのを確認してから、
カミュはつながったまま、イレブンの腰を抱き、ベッドに押し倒した。

「カミュ様ッ!」
「可愛いイき顔を見せてくれた礼だ、中に出してやる。」

イレブンが自ら脚を持ち上げてくれる。
カミュはその足をゆっくりと舐め上げてから、宝飾品をまとった腰をぐっと掴む。

「奥のイイ所を、ガンガン気持ちよくしてやるからな。もう一度可愛くイくんだぜ?」
「はい…」

カミュが腰を振り始める。
すでに一度雌として達し、性感帯の目覚めきった体にとって、その刺激は先ほどまでの騎乗位の非ではない。

数十秒もしない内に、絶頂寸前まで追いやられる。
「やああああ!!ッ、いくッ…!」
絶頂寸前で、腰が止められる。物足りなさにイレブンの腰をが勝手に動く。
カミュはその様子を満足そうに見下ろしてから、もう一度激しく突き上げる。

ばちゅばちゅばちゅばちゅ

「や、ああああんッ!あ、あぁん!」

淫部がぐっと締まるのを感じ、腰を止める。

「んッ…あ、はぁ…はぁ…」

荒い呼吸を邪魔せぬよう、額や肩にキスを落とし、淫部が緩んできたところで再び腰を振る。
カミュはそれを何度も繰り返す。
その内、淫部の締め付けが緩まなくなってくる。

「キツいぜ?抜ける気がいねぇよ…そんなに俺のイチモツが好きか?」
「すき…カミュさまの、かたいの…」
「たっぷり味わえよ?」

亀頭ギリギリまで抜き、ゆっくり挿し込み、奥を一突きする。
それからまたゆっくりとぎりぎりまで抜いて、強く突く。

カミュは女神の淫部を味わうように、ゆっくりと大きな律動を繰り返す。
それからまたじわじわと早め、ガンガンと突き上げた。

「や!やッ!」

首を激しく振ると、美しい髪が乱れた。肌が汗ばみ、キラキラと行燈の灯りに輝く。

「かみゅさま…かみゅさま…!」

ぱんぱんぱんぱん

「あ、あぁ…イっちゃう…」
「今度はイかせてやるからな。」
「うんッ、あああッ!!」

イイ場所だけを的確に、熱く硬いもので突き上げられて、イレブンの意識が軽く飛んだ。

「うああああッ、あ、あッ」
「まだイってねぇよな?」
「うッ…もっと…!」
「ああ、もっと気持ちよくしてやる。」

じゅぶじゅぶじゅぶじゅぶ

「ひゃ、あッやあああ!イくッ!いくいくッ!!」

外に漏れ聞こえているなんて考えることも出来なかった。
声を出せば出すほど、カミュを感じ、熱を感じ、その硬さに身が震える。

「いく!いくうううう!!」

ビクンッと体が跳ねた。宝飾品がジャラリと煌めいた。
カミュは淫部にぎゅうぎゅうと締め付けられながらも、達している体を更に突いた。

「うあっ、うあああッ!!」

布を捲りあげると幼い陰茎がぷくぷく揺れる。
蜜だけがとろとろ溢れ、リングを汚している。
淫部からは泡立った先走りがじゅぶじゅぶとあふれ出ている。

「イっちゃうッ!かみゅさまッ!」
「まだまだイっていいぜ?」
「ああああ!!いくッ!う、うぅあああ!!」

指がシーツを破けそうなほどに強く引っ張り、背中を反らせたまま捩じらせている。

「い、くッうううう!!やあああああんッ!!!」

甲高い声が止まり、白い体は突っ張ったまま達した。
びくびくと震えている。

「イレブン…!」

腰を掴み、突き上げる様にしながら、カミュは吐精した。

先走りなど比ではない、熱く濃い精液が女神の淫部を満たしていく。

「うっ…ん、ふぁ…」

流し込まれるものに、感嘆の声が上がる。

「すごい…あつくて…とろとろ…きもちぃ…」
「まだ出るからな?」

恍惚とした目を見つめながらカミュが舌を出すと、イレブンは無意識に舌をだし、キスをねだった。
だがキスをしてはやらない。
その代りに指を唇に宛がうとちゅぷちゅぷとしゃぶってくれる。

「あ…」

絶頂で溢れていた涎で直ぐに指はどろどろになった。

カミュはその指で、自身の男根を握る。それから幼い陰茎も握った。
「ああん!」
淫部を再度締め付けさせ、淫部と手を使ってさらに絞り出す。

ぐちゅぐちゅぐちゅ

びゅッ、びゅる…

「あ、あんっ…」

太い男根ときつく締まった淫部の間には、漏れ出る隙間などなく、出されたものの全てがイレブンの中を満たしていた。

「はぁ…はぁ…」
「最高に可愛いぜ、イレブン。ご褒美にイかせてやるからな。」


リングを外した。

「や、やあああ!!」

幼い陰茎を激しく擦りあげると、数秒も持たずにびゅんびゅんと吐精した。
イレブンの白い肌に、白い粘液が撥ねる。

「あ…あ…」

己の指を甘く噛みながら、性器から白濁をしたたらせている姿は淫らそのものだ。
カミュはそれを見下ろしながら、己の男根を強くさすり、残っていたものを絞りだし、淫乱な体に掛けた。

男の精液を中に注がれ、体の上に浴びせられた女神は、恍惚とした表情を浮かべていた。



互いの息が整うのを待ち、水色の目が漸く自身を捉え微笑んだのを確認してから、
カミュはシーツでイレブンの体を拭った。
尻も腹も、イかせないよう気を付けながら陰茎も、汚した場所全てを綺麗にぬぐった。

カミュは腰に布を巻き、シーツをはぎ取り間仕切りから顔をだして、シーツを放った。

「こいつ洗っとけ。」

言い捨て、イレブンの元に戻ってくる。

「いくぞ。」
「うん。」

カミュに抱きかかえられながら、部屋の奥から階段を降り、水場へ出る。

オアシスから漏れ出てくる水を浴びられるようにしただけの粗末な風呂場だが、互いの体を拭うには十分だ。
夜の冷えた水にイレブンが身を震わせるので、カミュはそっと抱きしめていた。

「カミュ様、暖かい…。」
「誰も聞いてない。」
「…カミュ。」
「それでいい。」

部下が聞いているような場所では、頭目の"女神"として、様付けするよう、カミュから言われている。
同時に、2人きりの時は呼び捨てにするよう求められる。
かつて無邪気に遊んでいたあの頃のように。

「…。」
「カミュ?」
「イレブン。」
「うん。」
「実は…頭目を辞めようかと思ってる。」
「え?」

イレブンは思わずカミュを見たが、青い目は一瞥もしてはくれなかった。

「盗賊団はマヤに明け渡す。…俺は、お前を連れて違う国でひっそり暮らそうかと思っている。」
「なんで?」
「もう盗みてぇもんなんかねぇ。お前を手に入れたら、もうどうでも良くなった。」

どんなに見つめても、見つめ返してはくれない。それはつまり、何か隠しているということだ。

「本当に?」
「ああ。」
「けど、今日も首飾りくれたよ?」
「…お前に寂しい思いをさせたから、あんなもんでも贈りたかった。」
「本当にそれだけ…なの?」

男の言葉を待つ。言いたくなければ言わずに、違う話をするはずだ。
イレブン視線を逸らすように胸に抱き着いた。

男の口が開いた。

「お前は追われている。…足を付けられるまでに、移動した方がいい。」

今日の部下の様子を回想する。
あれではイレブンを追う兵士たちに、あっさり殺されるだけだ。
イレブンを捕えておきたい自分の為に、部下の命を危険にさらす訳にはいかない。

「けど、皆悲しむよ…?」
「悲しませておけばいい。何よりの悲劇は、お前を失うことだ。」
「カミュ…。」
「もう、宝石なんか要らない。…お前が居れば。お前さえいれば。」

その時のキスは今日、一番優しいキスだった。

ゆっくりと絡む舌は、さっきまでのものとは違う。
イレブンは愛情を感じる。愛されていると。

「カミュ…。」
「嫌か?」
「ううん…カミュと居られるのなら。もう、離れたくないから。」

イレブンはそっとカミュの頬にキスをすると、漸くカミュが微笑んだ。

最近ずっと難しい顔ばかりで、あまり笑ってくれなかったから、イレブンはそれを見て安心した。

「皆には黙っていろよ?準備に少し時間がかかる。」
「うん。僕はただ、君に連れ出されるだけ。」



2人は静寂の中、暫く、互いの鼓動を感じあった。


数日後、2人は姿を消した。



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