メダ女の制服
初出:べったー/2019-07-03






「カミュのセンス疑う…」
「べ、別に変じゃねぇし!」

2人は夜のダーハルーネを歩いていた。

なぜ夜なのか。
それはイレブンの服装に理由がある。

「黒ストッキングじゃねぇのか。」
「ソックスです。ストッキングなんか履けないよ。」
「白タイツは履く癖にか?」
「う…!」

イレブンは今、メダ女の制服を着ている。
何故かと言えば、
カミュが賭けに勝ったからだ。

「そもそも!おかしいよ!男の僕に制服なんか着せて、お散歩したいなんてどうかしてます!」
「今んとこすれ違ったヤツは多分誰一人お前を男だと思ってないぜ?」
「気づいても誰も言わないだけだよ!こんな時間に女の子の服着て歩いてる男なんか変な人に間違いないもん。そんな人に声かけたくないでしょ?」
「船乗りの町にしちゃあ、甲斐性のねぇ連中ばっかだな。」
「そう言う問題じゃないの!」

ぷりぷり怒っている恋人を見る。

「(…どう見ても女だしな。)」

清楚な制服を着たイレブン。
セーニャやマルティナが着ているものより、少し丈が短い。
天性のサラッサラの髪に、細い腰、海風にふわりと広がるスカート。
チラリと見える美脚に、それをそっと抑える手、白い指。

夜の狼をケダモノにするには十分過ぎた。

「そんなに一目が気になるなら、少し路地裏でも行くか。」
「いいよ?」

カミュの手を引かれるまま、そっと積荷置場の裏へと回る。
繁華街と違って、誰もいない。
先客がいないか耳をそばだて人気を確認してから、
積荷の裏、海の見える場所に出た。

欄干にもたれ掛って、イレブンは周囲を見渡していた。

「薄暗いね。灯台の光、こっちには来ないんだ。」
「そりゃ陸にはなぁ…。イレブン、ここなら人目、気にならねぇだろ?」
「うん。…なに?」

何か言いたげな様子を察して、イレブンはしょうがないなぁと笑う。
顔をそっと寄せて目を瞑ってくれる。
だから、許されたままに、カミュはそっとキスをした。

「んっ」

外でキスをしたのは久しぶりだ。
カミュは外でするのが好きだ。
この腕の中の居る人が、自分だけのものだと主張できる気がする。

「もう…」
「普段は結構我慢してんだぜ?こういう時くらいいいだろ?」
「いいけど…偶には、だからね?」
「解ってるって。」

体を引き寄せると、イレブンはくっ付いてきた。
「制服ちょっと寒い。」
「スカートだしな。」
「ヒラヒラするし、スースーするし…女の子はすごいね。」
「女の中にはな、そうやってヒラヒラさせて男誘ってるやつもいるんだぜ?」
「…君はそうやって、なんで冷たいこと言うの。」
「冷たい事言ってるわけじゃねぇよ。ただ、お前もそうやってスカートヒラヒラさせて俺を誘ってるんじゃねぇかって言ってんんだよ。」
「…全く伝わりませんでした。そもそも誘ってないし!」
「そうか?じゃ、俺が勝手に誘われてるだけか。」

カミュがそっとイレブンの尻に触ると、
「きゃ!」っと女のように悲鳴を上げて驚いた。

「もー!…もうえっちしたくなったの?」
「なってる。つーか、その服着たとこみた瞬間からなってる。いや、着る前からなってる。」
「…けだもの。」
「ご名答。」

イレブンの体をぐっと引き寄せ、よろめくのを良いことに、積荷に体を押し付けた。

「カミュ!」
「大きな声だすと、誰か来ちゃうぜ?」
「う…」

イレブンを積荷に押し付けたまま、またキスをする。
触れるだけの可愛いものではない。
あくまでイレブンを興奮させるためのキスだ。

舌をねっとり絡ませて、呼吸を奪い、思考を奪う。
羞恥心が愛欲にかき消されるのを待っている。

「ん、んふ」
「イレブン?」
「ふぁ…カミュ、いじわるする…」
「いじわる?」
「…だって…ドキドキするの、わかってて…」

はぁ、と色の混ざった溜息が漏れる。
夜目の利くカミュには、その顔がすっかり真っ赤に熟れていることが解った。

「興奮してきただろ?」
「す、すこし…」
「本当に少しだけか?」

強情な恋人に本音を吐かせるべく、厚手の制服の上から、
ゆっくりと胸を撫でまわした。

「やんっ!」
「乳首立ってるぜ?少し興奮しただけでこんなに硬くなるのか?」
「ち、ちがうよ!布地が擦れて痛いだけなの!」
「そうか?」

カミュは意地悪く疑い、服の上から、ツンツンの乳首を優しくつねる。

「ひゃああ!」
「ほら、声。皆にばれるぜ?それとも、可愛い喘ぎ声、他の連中に聞かせたいか?」
「やぁだ!カミュがいじわるするんだもん、やら、あー、もぅ…」

両方の乳首を優しく刺激する。
指の腹で優しく擦ったり、掌で揉みし抱いたりしていれば、
服の奥の乳首がより硬くなっていく。
何より「ん」とか「ふ」とか嬌声を押し殺した声がそそる。

「うぅ…」
「興奮してねぇ?」
「…してます…カミュのゆび、大好きだから…」

可愛いことを言う唇に、指を押し当てると、赤い舌をチラリと見せて、
その指をぷちゅぷちゅとしゃぶってくれた。
舌を指で弄ばれながら、身を捩る姿は、どう足掻いても扇情的だ。

清楚な制服と、欲情的な仕草。

そのギャプが、獣の心をくすぐる。

口から指を引き抜くと、ぬたぁと唾液が月明かりに光る。
カミュはその、イレブンの唾液で濡れた指をチュっと舐めて、ニヤリと笑った。
イレブンは敗北を悟る。

「もう、おさんぽ、十分にしたし…そろそろ、お部屋戻ろ?」
「そうか?」
「もう…えっちしたい…です。」

イレブンが素直に欲望を口にするので、カミュは良く言えましたと軽いキスをしてやった。

「カミュ…」
「ま、この、トロットロに出来上がったお前の腰に腕回して、堂々と繁華街歩くってのも中々楽しいんだろうけどよ。けど、変な連中にこんなに可愛いとこ見せつけるのも、癪だしな。」
「だからお部屋」
「そいつは無理だな。」

発言の意図するところを察し唖然としたイレブンの手を抑え込み、
片手でスカートを捲りあげた。
「だめ!」
必死に抵抗してくるが、獣のカミュに叶う訳がない。

「へぇ…下着も専用なのか?」
「そ、そういうわけじゃ…その、何時ものやつだと、見えたらいやだし…」

イレブンの下着は、明らかに女性ものだった。
薄い生地の下にイレブンの熱が収まっている。
恥ずかしさに身を捩るのがまた厭らしい。

「はずかしぃよぉ…」
「すっげぇ綺麗だぜ?」
「きれいとか、そういう話じゃないよ…お部屋もどってしようよ。」
「…これでもそれが言えんのか?」

カミュはイレブンの御御足に自身の股間を押し当てた。

「ひぃ…え、か、かみゅ!?」

当たったそれの硬さにイレブンは目を見開く。
「お前だって男なんだから解るだろ?この状態で戻るなんてマジで無理だぜ。」
「な、何でそんなになってるの!?」
「お前の乳首可愛かったし、声もたまんなかったし、」
「…僕のせいってこと?」
「半分はな。」

ぐいぐいと押し付けるとイレブンは身を捩る。
眉を顰め、ぎゅっと目を瞑っている。
耐えているのではない、覚悟しているのだ。

「イレブン…いいだろ?人なんかどうせ来ないぜ?」
「…。」
「無理言ってるのは解ってる。けどよ…。」

今度は優しくキスをする。
愛していると伝えるための、一番気持ちの良いキスだ。
それから真っ直ぐに見つめる。

こんな所でやりたいというのは、カミュの野望でしかないが、
イレブンを抱きたい、というのは真に愛しているということである。

イレブンもそれは重々知っている。だから答えは決まっている。

「…すこし、だけだよ?」





ぬちゃ ぬちゃ と、オイルの音がする。
波の音で外には聞こえていないだろうが、
2人の耳には確かに聞こえる。そして煽られる。

「カミュ…いつも、オイル、持ち歩いてるの…?」
「荷物の中に入ってるからな。…痛くねぇか?」
「うん…」

イレブンは積荷に手をついて、尻と突き出している。
スカートは汚れないよう捲し上げられていて、
白くて丸い尻が月明かりに浮かび上がる。

「ふぅ…」
「気持ちいいか?」
「うん…、カミュの指、あったかくて、すごく、きもちがイイ…」

素直に感じてくれているのが可愛くて、思わず少しイジワルしたくなる。
コリっとイイ場所を軽く擦ってやった。

「ひゃあん!」
「悪い。」
「あぁ…もう…」

ぬっちゃ… ぬっちゃ…

すっかり秘部が広がって、オイルでグチャグチャになった。
早く入れてほしいと言っているように見えて、カミュは自分のズボンの紐をさっと解き、下ろす。

「そろそろ入れるぜ?」
「カミュ…カミュのほうは、いいの?」
「え?」
「…く、くち、とか…」

正直口何か入れられたら暴発してしまいそうだ。
だが。

こんな外で、夜風に当たりながら、
メダ女の制服を着た見た目は完璧に清楚な美少女(主観)が、
自分の猛々しいペニスをしゃぶってくれるなんて、
そんなの、経験しない訳にはいかない。

「いいのか?濡らす程度で良いぜ?」
「うん…」

イレブンは前を向いてしゃがみ込む。
カミュが顔の近くに寄せると、舌をべぇっと出して、ゆっくりとそそり立つペニスの亀頭を持ち上げる様にして舐め上げた。

「ぐッ…」

近づく射精感に思わず顔を歪めるのを見たイレブンは、少しだけ優越感に浸る。
フェラも昔より巧くなった。
亀頭をパクリと咥えこみ、カリを扱く。

「ちょ」
「ん?」
「ん?じゃねぇし!わかってやってんだろ。」
「んん?」
「咥えながら話すなよ…やべ…」

この清楚過ぎる見た目で、こんな極上フェラを仕掛けてくるなんて、
ちょっとエロいことを覚えさせ過ぎたな、と軽く後悔する。
主導権は常に持っておきたい。
カミュは嗜虐心を露わにし、腰を突き出した。
不意打ち的に突っ込まれ、イレブンは目を見開く。

「ぐぅ!」
「あんまり煽る様な事したら、フェラじゃなくてイラマにするぜ?」
「んー!」
「嫌だろ?」

嫌らしく、眉を顰めながら、じゅっぽじゅっぽと数度しゃぶって、
ずずずとペニスを吸い上げつつ、どぷり、と引き抜いた。
解放されたペニスがぷるんと震え、とろりと唾液が滴る。

「入れるぜ?」
「うん。」

イレブンは立ち上がり、再び背を向け、尻を突き出す。
「バックかよ。」
「ま、前からなんて…まして、きじょういなんて、もっと無理だもん…」
「しょうがねぇな。」

スカートの下に、僅かに尻たぶが見える。
「スカート捲ってくれよ。」
「ええ!?」
「入れるの両手使いてぇし。」
「しょ、しょうがないなぁ…」

イレブンが恐る恐る後ろを見ながら、スカートを捲ってくれる。
紺地の下の白い尻が見えて、カミュは改めて興奮する。
秘部にはまだオイルがたっぷりと残っていて、とろりと誘っている。

カミュは身を屈め、その白い尻にご挨拶とばかりに一度キスをした。
イレブンから抗議の声が上がるのを宥め、
手慣れた手つきで、ゆっくりと秘部に熱を押し当てた。

「ひっ…」
「ゆっくり入れるからな。」

ぐぷ

「んッ…」

ぐぷぐぷ、ぬぷ

どちゅん

「ひゃん!」

優しく奥を突きあげると、何時もの嬌声が上がる。
「はぁ…カミュ…あつい…」
「気持ちイイだろ?」
「ん…カミュも、きもちぃい?」
「ああ、最高だぜ?」

スカートを捲る手を下ろしてやって、積荷に両手をつかせる。
腰を両手でつかみ、ゆっくりと動き始める。

ぬちゅ ぬちゅ

互いの熱を擦りつけ合う。
指が届かなかった部分まで、オイルがしっかり馴染むように優しく動く。

「カミュ…」
「寒くないか?」
「うん…あつい…」
「ああ、俺も熱いぜ?お前とやってると…体の奥底から熱くなんだ。それが、最高に気持ちがいい。」
「うん…僕も、ぼくも、すき…」

イレブンが小さく嬌声を漏らすようになってきたので、
次第に速さを上げていく。
快感へと追い立てる様に。

じゅっぷ じゅっぷ じゅっぷ じゅっぷ

「イイか?」
「ん、いい…すごく、イイッ…あ、あんッ」
「やべっ…声も、やっぱ、すっげぇ可愛いし。」
「カミュの、どんどん、かたくなって…おっきくなってく…!」
「当たり前だろ…ッ」

増す質量に抵抗するようにイレブンの中がぎゅうぎゅう締め付けてくる。
それが気持ちがイイ。
だが、都合がわるい。
イレブンのたちの悪いことに、無意識に煽ってくる。

「かみゅッ!かみゅ!」
「可愛いぜ?イレブン」
「かみゅの…ぬるぬる、いっぱい…」
「お前が煽るからだぜ?結構、もう、やべぇし」
「だしていいよ、おくの、きもちぃところに、かみゅの、おせーし」
「ったく、こんな外で卑猥なこと言いやがって…!」

どちゅん と少し乱暴に突き上げると、
イレブンが甲高く啼く。

「いやぁあん!」
「声、でけぇよ、人来るぜ?」
「あ、あ、らって…きもちぃよ…」

清楚な制服、上品な顔立ち。淫らな言葉。

カミュの支配欲はいよいよ満たされていく。

「ッ…そろそろ、イこうぜ?」
「ん、いく…イきたい…」

ぱん ぱん ぱん ぱん

「かみゅ、かみゅ」

溢れ出る先走りが、律動で溢れ出し白い御御足を汚していく。

「イレブン…イきたいだろ?」
「イく…」
「ほら、もっと、気持ちよくなりてぇなら…おねだりしろよ」
「あ、あんッ!おねだりッ、ん、」

激しく突かれ、言葉が出てこない。頭の中もぐちゃぐちゃだ。

「おくッ、おくに、ちょーだい、かみゅ、おくッ」
「それだけか?」
「んっ、あ、あぅ」
「『僕を、メスにしてください』、って、いってみ?」
「んッ、う、はぁ、はぁ、ぼくを、んッ」
「ほら」
「うッ…ぼくを、めすに、してッ!ひゃッあ、あん!」

この、綺麗なイレブンは、今、俺の、メスだ。

カミュは支配欲で昂ぶる。

「メスにしてやっからな…!」
「ひゃぁん!!!」

ぱんぱんぱんぱん

イレブンの腰が落ちてくるのを無理やり持ち上げて、
下から突きあげるかのように激しく奥を攻め上げる。

「んッ、んッ、んっ、ん!」
「イレブンッ!」
「いくッ、かみゅ、ぼく、い、いくッ!」

イっちゃう、イっちゃう、と首を振る。
秘部がぐっと締まる。
あとわずかだ。

カミュは追い立てる。
快感へ突き上げる。

「イク、イクッ、いくいくいく」

髪を振り乱し、スカートを揺らして悶える。

「いく、イくッ!」
「イレブンっ…!」
「かみゅ、あ、あぁん、いっちゃうッ…!!!」

どちゅどちゅどちゅどちゅ

「あ、いやぁ!イクッ!あ、あああああん!!」

グッと力み、背が反る。
細い体がビクンビクンと震え、中は蠢くように熱を求めた。

「ッ」

びゅ、びゅびゅびゅ、びゅるるる


しまった、と思うよりも先に出た。
獣の精液はびゅんびゅんと、イレブンの奥へと放たれて、
求めるがままに、その奥を汚した。

はぁはぁと息の荒いイレブンの体を後ろから優しく抱きしめたまま、
カミュは熱が覚めるのを待つ。

そして冷静になる。


「やっちまった…」


後悔は何時だって後から来る。






「…。」
「悪い。立てるか?」
「立てる…」

カミュは、カバンに入っていたタオルでイレブンの体を概ね綺麗にする。
こんな水も何もない場所で、きっちり綺麗に出来るわけがない。

外でのセックスをしたいとは思っていた。
女装デートが決まった段階で目論んでいた。
しかし、カミュがどんなに野性味帯びても、獣になっても、支配欲で満ちていても、
イレブンは、世界で一番大事な恋人だ。
行為までして、イレブンを気持ちよくしたら、流石に外に出すつもりだった。

「…反省はしてるぜ?今日に限って良い訳もしねぇ。」
「…。」

幸い汚れていないイレブンの下着を履かせて、身だしなみは整える。


イレブンは来た時以上の不機嫌だ。
これなら大人しく部屋に戻ってすればよかった、とカミュも反省しきりだ。

「戻ろうぜ?人の少なそうな道選ぶから。」
「うん。」

カミュが先を行こうとすると、イレブンが駆け寄って、ふと腕を組んできた。

「!?」
「こ、こんな顔で、1人で後ろついてくなんて、やだもん…カミュの隣にいた方が、気が楽だから…」
「イレブン…」
「…なか、きもちわるい。」
「解ってるって。宿戻ったらちゃんと綺麗にする。」

そそくさと、宿屋への道を往く。
幸い夜更けだ、歩いているのは疲れた顔の漁師が、飲んだくればかりだった。

お蔭で明るい通りまで無事にたどり着くことが出来た。

「あと少しだぜ?」
「うん…ねぇ、カミュ。」
「ん?」

イレブンは腕にしがみ付き、恥ずかしそうに顔を背けたまま、ぽつりと言った。

「…女の子の服着てる僕と…えっちするの、きもちよかった?」

「…女の服着てないお前とすんのも、最高に気持ちイイぜ?」

はっきり告げると、イレブンは顔を上げ、
目を真ん丸に見開き、潤ませ、そして、悔しそうに言い捨てた。

「ばか。変態。スケコマシ。」

確かに今日は、この制服イレブンに興奮をしたが、
だが、
こんなに顔を真っ赤にして、照れ隠しでなじってくるイレブンが、
やっぱり、なんだかんだ、最高に可愛い。
それに、
最高にそそる。

カミュは、そう、改めて思い知った。

しがみ付く手にそっと手を重ねて、
カミュは宿屋のドアを開けた。






その後、風呂で始末しながら襲い掛かって、イレブンの逆鱗に触れることになるのは、
想像の難くない。






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