幼妻
初出:べったー/2018-06-22



2人きりの生活になって、早3ヶ月。
毎日顔を合わせて、毎日寝食を共にしても、相変わらず可愛いと思う。

世の中には3年で覚める恋というのがあるらしいが、
2人に限って、それはない、とカミュは断定する。

むしろ日々可愛く見えてくるのだから、何だか不思議だ。
出会った当初は16歳だったイレブンも、今は17を過ぎたのだが、
何だかどこかいつも初々しくて、
何時まで経っても少し恥ずかしそうにはにかむのが本当に堪らない。
何だかんだ、まだまだ幼いのだろう。


一方のカミュはもう20に乗った。
性欲は相変わらずだが、付き合っていた頃のがむしゃらな所は大分弱まり、
妻帯者の余裕のようなものが滲み出てきた。
2人を邪魔するものはもう何もない、イレブンが自分ものになった、
そういう安心感が、そうさせているのかもしれなかった。

なので、幼い雰囲気を残す"嫁"が、人肌恋いしそうにすり寄ってきても、
必要以上にからかったりはしない。

「イレブンどうした?」
「ん?んー…。」

カミュの座っているベッドにのそのそ上がって、
背中にぴったりと顔を押し当てた。
ほんわか暖かい。そういえば今日は風呂も長かった。…原因はわかる。

「"旦那さま"は、今日、お疲れ?」
「一日働いたくらいで、そんなに疲れねぇよ。」
「そう?」

カミュの背中に頭を擡げながら、腹に腕を回してぎゅっと捉まる。

「あの、あのね?」
「おう。」

むぅ、と言葉を濁す。言い辛いことのようだ。
前なら、意地でも言わせてやったのだが、今は汲んでやる。

「…言い当ててやろうか?」
「じ、自分で言う。」

イレブンの白い手がカミュの手にそっと添えられた。
戦って傷だらけだったあの頃より、ずっと綺麗になった指先は柔らかく、暖かい。

「カミュ、あの、」

イレブンの言葉をゆっくり待ってやる。

「あの…カミュの指で、いっぱい、体、さわってほしいな?」

白い指をぎゅっと握ってやる。

「お望みのままに。」

快諾を示すと、イレブンが顔を上げたのが解ったので、カミュは背中を反らして、安堵した小さな唇にそっとキスをしてやった。

確かに、昔よりは大人になったが、嗜虐的な部分は無くなったわけではない。
少し悪戯に笑いながら、
「じゃあ、自分で脱げよ?触って欲しいところが、ちゃんと全部見えるようにな?」
そう、言いつけてやった。


イレブンは恥ずかしそうにしながらも、いそいそと寝間着を脱ぐ。
相変わらず美しい肌を全て晒した。
腕でそっと乳首を隠しているのに、カミュの中が燃え上がる。

「お前だけ脱ぐ?それとも、俺も脱いだ方が良いか?」
「カミュも。」
「じゃあ脱がして。」
「うん。」

イレブンに正面を向けると、胸の紐に手を伸ばす。
カミュであれば片手で解けるのだが、相変わらず不器用なイレブンは両手を使う。
さっきまで腕で隠されていた乳首が露わになった。
紐と格闘しているイレブンを余所に、カミュがツンと乳首をつっつくと、
ひゃん、と声を上げて体をびくりとさせる。

「だめ、」
「触って欲しいんだろ?」
「ゆ、ゆっくり触って…?」

何とか上着の紐を解き上着を脱いだが、次はズボンだ。
カミュがベッド脚を投げ出すようにすると、イレブンは脚の間に体を入れて、
まるで口淫するときのように、カミュの腰の紐に触れる。
紐を解き終わると、ふくらみが気になるらしい、頬を染めて顔を上げた。

「…まだ、おっきくなってない?」
「どうだろうな?触ってみたらどうだ?」

触らないという選択もあるのに、イレブンは指の腹で、そっと股間に触れる。

「あ…。」

触れられるだけでも興奮するが、膨らみに驚き漏れた声により興奮した。
そしてドクンと熱くなる。
それを感じたのか、イレブンはさらに顔を染めて、優しく股間を撫でる。

「カミュの…。」

元々発情していたであろうイレブンは、より煽られ、昂ぶっているらしい。
恍惚とした表情をみせながら、無我夢中でそこを優しく撫でていた。

「触ってばっかりじゃねぇか。触って欲しいんじゃなかったのか?」
「うん、さわってほしい…。」
「じゃあ、横になって。」

カミュはベッドから降りて、イレブンに仰向けに寝るよう指示をだし、オイルを持ってきてから、
イレブン解いてくれたので、ズボンも下着も脱ぎ捨てた。

ベッドで仰向けになりながらも、イレブンは脚で大事な部分を隠そうとしている。
彼自身と同じく、そこはまだまだ幼い。
女を知ることもないそこに、特別な感情がある。


2人の関係は、夫婦に近い。
もし夫婦だとしたら、どちらかと言えばカミュが夫だった。
つまり、イレブンは妻である。それは互いに一致した見解であった。

しかしイレブンを女扱いをするつもりは無かった。
散々それでイレブンに拗ねられてきたし、"女みたいだから"イレブンに惚れたわけではない。
男であると理解しながらも、彼を選んだと自覚している。

だからこそ、イレブンの、男の部分は大事にしたかった。


「いっぱい触って欲しいんだよな?」
「カミュの指で、いっぱい、さわって?」
「触ってやるぜ?たっぷり、気持ちよくなるくらいに。」
「ん…カミュ…。」

まずはたっぷりキスをする。
甘えるような舌に興奮する。
それから首や、鎖骨、肩にキスをする。痕を残す。
以前は駄目だといわれていたが、同棲してから許されている。

それから胸。
爪先でツンツンと刺激してから、指の腹を使って優しく撫でる。

「ッ…あ…」

今までは割りと激しく刺激していたのだが、最近になって優しく撫でる方が感度が良いことを発見した。なので、あくまでも優しく、焦らすように触る。

「はぁ…はぁ…。」

親指の腹で少し潰すようにぐりぐりとこねくり回すと、体がビクンと跳ねた。

「痛いか?」
「気持ちイイよ…。」

頭を振って感じるくらいになったら、次は腹を撫でる。
それから、腰を摩り、大事な部分は避けて、太腿へ。

程よく引き締まった内腿を撫でまわし、膝を持ち上げて脚中にキスを落とす。
最初はカミュの趣味でしかなかったのだが、最近はイレブンの反応もかなり良くなった。
ちゅ、ちゅ、と吸い付くと脚をもぞもぞさせながら、感じてくれる。

概ね触れたら、最後に大事な所だ。

「触るぜ?」

乾いた手で触れると刺激が強いだろうから、オイルを手に馴染ませてからそっと触れる。

「ッひゃあ!」
「イレブンのも、すげぇドクドク言ってる。俺の指、感じてくれたか?」
「ん、うん、カミュの指すきだから…。でも、あんまり、見ないで、恥ずかしいよ。」

可愛い妻のご要望に沿って、カミュはイレブンの隣に寝そべり、
数度キスをして、見つめ合ってから再び愛撫を再開した。

「カミュ…。」
「無理にイカせたりしねぇからな?けど、イキたくなったら言うんだぜ?」

ゆっくり、ゆっくり、竿を愛撫する。
ぬちゃぬちゃ音が立っているのは、オイルのせいなのだが、
まるですでに先走りが溢れているように聞こえて、
イレブンも、カミュも煽られた。

「…っ、あ…はぁ…」

指で輪を作り、カリの部分を優しく擦ると体がビクンビクンと震えた。

「だめ…。」
「イきそうか?」
「ん、」
「イキたかったら、イっても良いんだぜ?」
「やだ…カミュと一緒に、いきたいから…。」
「そんなに可愛いこと言われると、俺も耐えられねぇよ。」

本当ならもう秘部を解して今すぐにでも繋がりたいが、
触って欲しいというのがご要望だったので、今日はたっぷり愛撫をしなければ。

時折キスをしながら、カリ以外も陰嚢や裏筋も優しく撫でてやる。
決して強いとは言えない精力のイレブンだが、今は精子が溜まっているらしい。
中の方に脈動を感じる。

オイルを塗り込むくらいにゆっくりと優しく愛撫をしていると、
じわじわと硬くなっていく。

一緒に、と言っていたが、このまま手でイかせてやりたくなる。

「イレブン、俺の指好きだろ?指でイくの嫌か?」
「やじゃない、けど、イっちゃったら…。」
「二回くらいなら大丈夫だろ?…いま、体調よくないか?」
「体調はへいきだよ?けど…」
「俺の手で一杯気持ちよくしてやりたいんだ。だめか?」

優しく求めると、イレブンは「ん、ん」と少し悩んでから、ちゅっとキスをしてくれて、
いいよ?と耳元で囁いてくれた。

お許しが出たので、優しく的確に責めていく。
ぬちゃぬちゃとオイルの音を立てつつ、至近距離で見つめ合い、
甘い言葉を囁きながら、腕の中でイレブンを気持ちよくしてやる。

イレブンのものが硬くなっていく。
決して大きいとは言えないが、それでもそそり立ち、蜜を零し始める。

「…かみゅ…もう、いっちゃうかも…。」
「何時でもいいぜ?」

舌を絡ませるキスを何度もしながら、水音にお互い煽られる。

「かみゅ…かみゅ…。」

涎で唇を濡らしながら、イレブンはうわ言のようにカミュの名前を呼んで、
快楽に耐える様に青い髪を掴んだ。

「あ…いっちゃう…イっちゃう…。」

ぬたぬたとオイルと蜜が混ざり合い、カミュの指がドロドロになる。

ぬちゅ ぬちゅ

「あ、かみゅ、かみゅ」
「俺の手にいっぱい出してくれよ?」
「あ…あ…でちゃう…いっちゃう…かみゅ、もう、ぼく」

イレブンは耐える様にカミュを見つめながら、
うわ言のようにイっちゃう、と繰り返し、
それから、目をぎゅっと瞑って、
愛する手の中に、ぴゅっと吐精した。

「…はぁ…はぁ…。」

肩で息をしながら、カミュを見つめ、見つめ返されると恥ずかしそうに笑った。

「やあ…もう、はずかしぃ…。出したの、見ないで。」
「俺に愛撫されてイっちまうの、恥ずかしいのか?」
「だって…カミュ、真面目な顔してみてるんだもん。」
「そりゃ、真面目にお前をイかせてたからな。…気持ちよかったか?」
「うん…すごく、きもちよかったよ?」

そういって、チュっとキスをしてくれる。

「あー…マジ、ほんと、可愛いな。なぁ、これ舐めてもいい?」
手の平の精子を見せつける。
「やぁだぁ…!」
「いいだろ?」
「だめ、それはだめ!だめ!やッ、やだ!」

と言われたが、カミュはペロリと舐めてしまった。

「ごちそうさま。」
「あー、もう…いじわる、へんたい、えっち。もー、はずかしい。」
「いいじゃねぇか。お前だって最近よくフェラしてくれるだろ?」
「それとは違うもん。」
「何がだよ。」
「お口でするのは…その…えっと…カミュの…その…。」

もごもごと言い淀む。
恥ずかしいらしい。それすら可愛い。

「もう可愛い。だめだ、襲う。いいだろ?」

汚れていない手でイレブンの頭を抱き込むように引き寄せて、
息すらさせないような濃厚なキスをする。
咥内を味わい、舌を絡めて、しゃぶりつくす。

つぅっと糸を引いて唇を離すと、イレブンは真っ赤な顔ながら、
「いっぱい、きもちよくなろうね?」と、
腕を首に回して抱き着いてきた。

それからまた何度もイレブンが満足するまでキスをしてから、
イレブンにうつ伏せになってもらい、
カミュはたっぷりのオイルでイレブンの秘部を解し始める。

風呂からだいぶ経っていたが、やはり興奮いるのか、
体は汗ばみ、吸い付くようで気持ちがいい。

肩、肩甲骨や背骨、尻に何度も吸い付いて痕を残して回る。
充分解れた頃には白い体にたっぷりと赤い花が咲いていた。

「そろそろ平気か?」
「うん…けど、カミュのは?」
「ギンギンに決まってんだろ。」
「ん…けど…。」
「しゃぶりたい?」
「…触りたい。カミュが、僕にしてくれたみたいに。」

イレブンが体を起すのでそれを支えつつ、腰を差し出した。
白い指が、少し凶暴なほど育ったカミュのペニスを捕える。

「ほんとだ…もう、かちかち。」
「あんまり触ると出るからな?」
「ちょっとだけだよ?」

少しだけ竿を指で扱き、カリをクニクニと弄った。
それから竿をそっと摘み上げて、ゆっくりと赤い舌を陰嚢に這わせた。
ゾクゾクして、中が蠢く。

「いっぱいたまってる?」
「溜まってる。お前の中に飛び出したいって。」
「っ…ん…ぜんぶ、僕の中でうけとめるね。」

そう言って四つん這いになり、尻をカミュに向ける。

「…入れて?」
「ああ、今すぐにな。こっち見られるか?」
「ん…。」

イレブンが何とか後ろを向いてくれる。
白く柔らかい尻を両手で数度揉みしだいてから、
穴を優しく広げる様にして、
カミュは硬く育ったペニスをゆっくりと宛がい、ゆっくりと挿しいれた。

「っあ…あ、あついの…くる…。」

ぐぷ ぐぷっ

「ッ」

どちゅん

「んッ!」

気持ちよさに涎が溢れて、唇を濡らす。
カミュはイレブンの反応を見ながら、ゆっくりとピストンする。
激しいのも好きだが、ゆっくりとしたセックスも中々気持ちがいい。
相変わらずイレブンの中は熱いペニスにまとわりつくように締め付けてきて、
次第に自ら腰を振るようになってきて、それら全てに、
カミュはゆっくりと高まっていく。

「カミュ…カミュの、きもちいいよ…。」
「イレブンの中も相変わらず最高に気持ちが良いぜ?」

奥の敏感なところをコツコツと小刻みに刺激する。
先走りが中でピチャピチャいって、体がビクビクと震える。

ぱちゅ  ぱちゅ  

「ッあ…そこ…きもちいいとこ…だめ…。」
「駄目だったか?好きだったと思ったんだが?」
「すき…すき…。」

イレブンは力が入らなくなって来たらしく、
腕がつぶれて、胸がベッドについている。
顔もこちらを見る余裕はなくなっている。

「イレブン、顔みたいんだけど、無理か?」
「ん…かお…」

後ろを向こうと試みてくれるが、少し強い刺激を与えるとビクンを振えて戻ってしまう。

「顔みてやりたいし、体位変えるか。」
「まえ?」
「前。」
「まえ、すき。」

カミュはカリぎりぎりまで引き抜く。
「抜けねぇように力んで。じゃないと、先走り全部零れちゃうぜ?」
「だめ…ちから入れるから、ぬかないで。」

可愛い尻がきゅっと力を入れてくれる。
カミュは白い脚を揃えて抱え上げて、抜けないようにイレブンを仰向けに転がして、
脚を揃えたままのキツイ状態のまま、一度奥を突きあげた。
「あんっ」と可愛い声が漏れて、そのままぐっと押し込み、脚を開かせた。

「これで顔見えるな。」
「ん、かみゅのかっこいいかお、見えるね。」
「ああ、たっぷり見てくれて構わねぇよ?」

膝を抱えながら、カミュはピストンを再開する。
今度は浅い手前のイイ所をくちゅくちゅと責める。
イレブンの出来上がった顔に腰は重くなるばかりで、
熱い中に先走りが満ちていく。


ぱちゅ ぱちゅ ぱちゅ ぱちゅ

「ッん…ふふ…はげしくなった。かみゅ、そろそろ、イきたい?」
「そうだな。お前にそんなに無理もさせられねぇし。我慢するのも結構大変なんだぜ?」
「がまんしてる?」
「してる。ぶっちゃけ今すぐびゅんびゅん出してやりてぇし。けど、
お前を雌にして、中全部敏感にしてからだからな?」

どちゅッ とイイ場所を突きあげると、
イレブンは背中をそらして、苦悶に満ちた嬌声を上げた。

「あッあぁあん」

秘部がきゅっと締まる。
それが気持ちよくて、更に我慢をするのが大変になるが、
イレブンが気持ちよくなってくれるのなら、それに越したことはない。

ぱん ぱん ぱん ぱん

「あッ、あッ、あッ、あッ、」

リズムよくイイ場所を刺激してやると、目をぎゅっとつぶって
指がシーツを掴み、ぎゅうぎゅうと引っ張った。

「はぁッ、いく、いく、」

ぱちゅ ぱちゅ ぱちゅ ぱちゅ 

「イくッ、いくっ、あ、あッ、だめッ、いくッ…!」

イレブンは白い背を反らし、脚を、腰をビクンビクンを震わせ、

「あッあぁあッんッ」

甘い声を漏らして達した。
はぁはぁと荒く息をしている合間に、軽くキスを数度してやり、
水色の目が開かれるのを待ち、見つめ合って、はにかんで、
それから漸く、カミュは竿全体をイレブンの中に挿し入れし始める。

ぱん ぱん ぱん ぱん

「あ、あ、あ、あ」

イレブンはカミュの青い目を見つめたまま、恥じることなく嬌声を漏らしている。
締め付けはどんどん強まり、
カミュは自身を追い立てていく。

どちゅん どちゅん どちゅん どちゅん 

「かみゅ かみゅ」
「イレブン…そろそろ、イくぜ?」
「イく…ぼくも…また…ッ、イく、イっちゃうっ」
「たっぷり、中に出すからな?」
「だして…あ、あ、だ、んッ、あ、あ、だしてッ…!」

じゅぶじゅぶじゅぶじゅぶ

「カミュッ、かみゅっぅ!!」
「イレブンッ…!出すからな…ッ!」
「いくッ、い、いくッ、あ、あっあ、ああああ!!!」


びゅるっびゅるッ

先ほどのイレブンのそれとは桁違いの、熱い精子が中に放たれた。

敏感なイレブンの中は、カミュの精子を感じる。
それが精液で、自分を愛しているがゆえに出たものだと思えば思うほど、
深く感じ、快感を覚える。

「ッ…あ…はぁ…かみゅ…かみゅ…。」

中を流れる感覚に身を震わせ、まだ繋がっている熱いモノをぎゅうぎゅうと締め付ける。

「かみゅの…おせーし…きもちぃよ…あつくて…すごい…きもちい…」

繋がったまま、体を跳ねさせ感じ続ける。

「イレブン。」

冷静に呼びかけられても、イレブンは夢見心地で、
ぼうっとしながら、与えられたキスを味わった。

「カミュ…すき…すきだよ…すき…。」

小柄なのに頼りになる大きな背中に腕を回して、
体をぴったりと合わせて、その熱を感じながら、
イレブンは意識を手放していった。









「…はずかしかった。」
お目覚めのイレブンは開口一番そう言って、カミュの胸に顔を埋めた。
「何がだ?」
「…ぼく、おねだりしたよね?」

おねだりと言えばおねだりだった。

「おねだりくらいするだろ?」
「けど…いままでそんなに、してなかったのに…すごい普通に。カミュ疲れてるのに。」

うぁああん、とカミュにぎゅっと抱き着く。
カミュは優しく抱き寄せて額にキスをしてやる。

「お前とこうしてるだけで疲れ何か吹っ飛ぶぜ?」
「けど。」
「今日は休みだ。暫く腕の中にいてくれよな。」
「…うん。」
「…ひと眠りしようぜ?まだ暗いしな。」
「うん。おやすみ、カミュ。」
「お休み。」


男は幼妻を抱いて眠った。









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