記憶を消してください。
初出:ベッター/2017-12-30

記憶喪失カミュネタ。変態度高め。


「すみません、お役に立てなくて。」
「大丈夫だよ。」

記憶を失った相棒と船室に戻る。
あの状況を生き残ってくれた、それだけで嬉しかったので、ショックを受けなかったとは言えないけれど、それをすっかり受け止める気でいた。
このまま記憶が戻らなかったとしても構わない。そういう覚悟だった。

「無理に思い出す必要はないからね。もし、知りたいこととかあったら聞いてくれれば、解る範囲で答えるよ。」
「じゃあ、早速聞きたいことがあるんです。」

カミュはイレブンの隣にさっと座った。

知っている人のはずなのに、何だか違う人に見える。
イレブンは改めてカミュの顔を観察した。
何時もの、少し自信家な雰囲気はないけれど、何だか柔和で優しいイケメンといった感じだ。

「聞きたいことって?」
「イレブンさんと俺は、いつも同室だったんですか?」
「うん、そうだね。宿で大部屋じゃない時は。」
「何でですか?」
「うーん…性別と世代…?君とは最初から一緒だったから、あえてこうしよう、ってなったわけじゃないって言うか。」
「そうなんですね…。」
「…嫌だったら部屋換えるから言ってね。」
「そんなわけじゃないです!」

カミュは目を泳がせてから、意を決したようにイレブンを見た。


「単刀直入に聞きますけど、

俺って、イレブンさんのこと、抱いたことありますか?」

固まった。
真剣な目を見つめる。冗談ではないらしい。

「…え、それは…その」
「それは“ある”っていうことですか?」

イレブンは顔を真っ赤にして、真っ直ぐな視線から目を逸らして小さく肯定した。
そんなイレブンの反応とは対照的に、カミュは大きく息を吐き、胸をなでおろした。
「よかった…。」
「え?」
「いや、もし自分が意気地なしだったらどうしようかと思って。」

驚いてカミュを見れば、何だかうれしそうな顔をしていた。

「こんなに、魅力的で扇情的な人と毎回同じ部屋に寝てて、何もしないなんて男として信じられませんから!」

何故かガッツポーズを取っている。
なんだろう、記憶はないとはいえ、行動やリアクションの端々に以前のカミュの面影が残っているようにさえ感じる。嫌がられるよりはマシだと、イレブンもちょっとだけ安堵した。

だが安堵なんか出来るわけもない。
なぜなら彼はカミュだ。
したいと思ったら容赦なくその気にさせてくる、あの彼だから。

イレブンはあっという間に押し倒されて、唇に齧り付かれた。
「ん!?」
激しいキスに目を白黒させたが、その熱も舌の動きも何時ものカミュだった。お蔭で何時ものように警戒を解きかけてしまう。
「…だめ…。」
「何でですか?」
「…君の負担になるよ…。」
「何で?」
「ただでさえ記憶を無くして、心が疲弊してるのに、こんな」

言葉の途中で再び齧り付かれる。脳をマヒさせるようなねっとりしたキスに、言おうとした言葉を忘れてしまった。

「俺は、こうしていたいです。こうしていると、思い出せる気がするんです。」

優しい目をされて、言葉が出てこない。

「貴方の体、貴方の好きなところ、貴方が気に入っている行為、それら全部を。」
「カミュ…それは」

金縛りにあったように、体が動かなくなる。視線に縛られる。
「思い出させて下さい、貴方の、体で。」


実は記憶があるのではないか、というくらいにあっさりと服を脱がされた。記憶は無くても体が覚えているということだろうか、ベルトなんかもリボンでも解くように解かれてしまって、あっという間に身ぐるみはがされ、ベッドの上に転がされた。

「カミュ、あの、」
「とても白い肌…。この白い肌に跡をいっぱいつけるのがすごく好きだった気がします。」
その通りだ、とイレブンは黙ったまま心の中で頷く。
何時もと同じようにチュッと体に跡を付けられていく。敏感な場所をあえて避けている。彼が焦らす時にしていた行動そのものだ。

「ちょっとまって…。」
「あれ、昔の俺はこういうことしなかったんですか?してましたよね?」
「してた、してたよ…けどね、ちょっと待って…。その、久しぶりだからさ、なんていうか…。」

カミュはなるほど、と手を打つ。

「確かにいきなり過ぎたかもしれません。もっと、貴方をその気にさせないといけないですよね。」
「その気っていうか、その、お互いに…心の準備?というか、色々…」
「大丈夫です。どうしたらその気になるのか、何となくわかる気がしますから。」

ここが、好きなんですよね?と言いながら、
カミュはイレブンの脚を持ち上げて、内腿をつうっと舌でなぞりあげた。
「っやあん!」
「ほらね。こういうことされてると、どんどんしたくなるんですよね?」

白い脚に吸い付き、食んで、舐め上げて。
カミュはまるでアイスでも食べるように舐め上げていく。膝裏に舌を這わせ、脹脛を撫でる。
そういうことじゃなくて、と思いつつも久しぶりの感覚に感じ始める。

「綺麗な脚ですね…。」
君は脚フェチだったんだよ、なんて言うつもりは無い。いっそ忘れて欲しいくらいだったから。けど、恐らくカミュの中にその要素は残っているんだろう。しゃぶっているその目はすっかり色欲の獣みたいだ。
両脚をたっぷり味わったカミュは、出来上がり始めている恋人を満足そうに見下ろした。

「汗ばんできましたね。興奮してるんですね。嬉しいです。」
「だって…こんなことされちゃったら…。」
「脚や体にいっぱいキスをされると興奮するっていうことですね。可愛いんですね、イレブンさんは。見た目通りだ。」

それに、ここもね、とイレブンのペニスをツンと突っついた。

「ひゃん!!」
「ここは後でのお楽しみにしてます。」

カミュは再びイレブンの唇にしゃぶりつく。
さっきより大胆に応じてしまう。カミュはそれに満足したらしい。
逃がさないように髪を掴んで引き寄せて、息をするのも惜しいほどのキスを繰り返す。

「イレブンさん…本当に、可愛い・・・はぁ…もう、限界です。そろそろ、準備しても、いいですよね。」

今から、無かったことには出来ないだろう。イレブンは黙って許可をするほかなかった。

「イレブンさんの中、いっぱい解さないといけないですよね。安心して下さい、イレブンさんの中、全部覚えてますから。」
「へ!?」
「イレブンさんが気持ちよくなれる場所…この指がちゃんと覚えてますよ?」

そう言って、カミュは自分の左手の二本を自らしゃぶった。赤い舌にドクリと脈が跳ねる。
「さぁ、まずはその、小さな可愛らしい口をトロトロにしてあげますね。」
涎を垂らしながら指を引き抜くと、今度はイレブンの口に人差し指と中指をつっこんだ。
「俺の指、たっぷり舐めて下さいね。」

イレブンの好きな、カミュの指。
優しく抱きしめてくれたこともあるし、涙をぬぐってくれたこともある、良い思い出ばかりの指。…もちろん、舐めたことも、しゃぶったことも、…大事なところをいっぱい弄られたりもしたけれど、器用な彼の指は、イレブンのお気に入りだ。それは今でも変わらない。

「んふ…」
舌で指をくちゅくちゅと舐めると、指も舌を刺激するようにぐちゅぐちゅ蠢く。二本の指で舌を挟まれたり、歯の形をなぞられたりして、じわじわと興奮してくる。それは、これから違う場所で行われる行為の予行のようなものだった。

絡まる舌から指を引き抜くと、糸がつぅと引く。それを見ても恥ずかしくないくらいには、イレブンも興奮し始めていた。

「ッ…ふ…」
「凄いですね…イレブンさんの舌、すごくエッチですね。」
「ち、ちがうよ…君が…。」
「俺に教えられたんですか?指を舐めるときは、舌をいっぱい絡めて、関節とかに舌を這わせて、指の弾力を確かめるように甘く食むんだって。」
「や、やだ、そういうこと言うのやめて!」
「事実じゃないですか。イレブンさんの舌…口…。いいな…俺もその口でいっぱい気持ちよくしてもらいたいです。」

逃げる前に髪を掴まれて、顔を寄せられる。涎まみれになった唇にしゃぶりつかれて、力が抜けた隙に、イレブンの手を取り、自分の中心に充てる。

「!?」
「ほら、凄いですよね。男相手にこんなになるなんて…。俺の体は、本当に貴方のことが大好きなんですね。記憶を失ってもこうやって求めるように。いっぱい摩ってください。貴方のことをいっぱい感じたいです。」

イレブンは下着越しにカミュの中心を撫でる。ああ、いつものだ。
熱くて…固くて…。
「(だめ、想像すると余計に…。)」

イレブンの体が疼き出す。
秘部がピクリとした。カミュはそれに気づいたかのように、秘部をまさぐりだす。


「かみゅ!!」
「貴方の唾液でドロドロなうちに、貴方の中、いっぱい弄ってあげますから。」
「や、やだ」

抵抗をすると、乳首をツンと弾かれて力が抜けてしまう。

「あッ」
「ははは、乳首本当に弱いんですね。もう、すごく固いですよ。コリコリです。後で、たっぷり弄ってあげますからもうちょっと待っててくださいね。」

膝を持ち上げられて、秘部が見える。カミュは怪しく笑ってから、そこへ器用な左手をぬぷりと挿しこんだ。
「ああッ!だめ…!」

久しぶりの異物に体が震える。
穴がぎゅっと締まり、イレブンの言葉とは裏腹に、体が刺激を求め始める。
「だめ、このままじゃ…。」
「そうですね…流石にイレブンさんのエッチな唾液だけじゃ足りないですね…。そうか。」
カミュは、「何だろうって思ってたんですけど、この時用だったんですね」といって自分のカバンから何時ものオイルを持ち出した。

「これを、イレブンさんの白いお尻にいっぱいつけるんですよね。ちょっと四つん這いになってもらっていいですか?」

何故自分はカミュの言い成りになっているんだろう。頭の隅に追いやられた思考はそんなことを考えていた。しかし抵抗して、この言い成りの状況を打開する方法も思い浮かばず、イレブンは諦めて四つん這いになり、カミュに尻を向けた。

「可愛らしいお尻ですね。」
柔らかい肉をしゃぶるようにキスをされてイレブンは体をビクンと跳ねさせた。
「んふっ」
「お尻も触られるの好きなんですね。それじゃあ、つけますよ?」
カミュは瓶のふたを開けて、中をひと混ぜしてから、イレブンの尾てい骨の辺りに、瓶から直接オイルを垂らす。
「わあああ!!」
冷たさに身を震わせる。
「つめたいよ!」
「あ、すみません。」

悪気のない声が聞こえて、「今から温めますから」と、オイルをぬちゃぬちゃとゆっくり、尻に馴染ませ始めた。
ぬるぬるとした感触と、カミュの暖かい手を感じる。

「すごい、テカテカしていると余計にそそります。あ、ちゃんと穴に入れないとダメですよね。」
オイルをかき集めるようにしながら、イレブンの秘部を指の腹で刺激した。中にオイルが入るように馴染ませ押し込む。
尻に塗りたくってしまったせいか、不足したらしく、再び瓶から足してくる。それはちゃんと温めてくれたらしい。そんなに冷たくはない。前のカミュだったら嬉々として冷えたままだったろう。

「それじゃあ、指、いれますよ?」
「うん…。」

イレブンはシーツを掴み、快感に備える。

ぬぷッ くっちゅ ぬぽっ

「っはぁん」
「あ、今の声…すごいです。腰に来ます。中もすごい…さっきのオイルと、貴方の唾液でぐちゃぐちゃで、指なんてぬるっと入っちゃいましたね。中、すごく熱くて気持ちがいいですよ。指動かしますね。」
「そういうこと、いわないで、恥ずかしくって…。」
「恥ずかしがるところもすごく可愛いです。そそられて、余計に強くしたくなります。」

カミュの指が腰を掴んだ。

「ッ…やめて…だめ、かみゅ、だめだよ!!」
「腰を掴んだだけですよ?これだけで何をするか解っちゃうんですか?」
「だって…だめだから、お願い…。」
「だめっていえば、止めてもらえると思いましたか?」
「や、やだ、カミュ、だめ、だめ!動かさないで!」

カミュはにやりと笑って、指を蠢かせた。

「ッはああああん!!」

一発目からイレブンのイイ場所を探り当ててくる。腰が跳ねる。何とか抜けないかと振ってみるが、そんなので抜けるわけもない。むしろ気持ちがいいだけだった。
「っあ、は、は」
ぬっぷ ぬっぷ ぬっぷ

「ッあああ…」

指先で弾くように刺激をされて、イレブンの秘部がぎゅんぎゅん締まった。
「すごい、すごい締まるんですね。…こんな締め付けを、ペニスで味わえるなんて…すごい、イレブンさんの体は、本当に、男をイかせるために出来てるみたいだ。」

指がナカで暴れ回っている。イイ場所ばかりを刺激しないよう解ってやっているとしか思えない。
「っ、はッ、はっ、あ、あッ、だめ、だめ、カミュ、だめ!」

コリコリコリコリ

「やッだめ、だめ!だめ、おねがい、やだ、やなの!だめだから、おねがい」
「どうしたんですか?気持ちがいいんでしょう?」
「きもちいから、きもちいいからだめなの!やだ、だめ、あぁん」

イレブンの意識が飛び始める。頭を振り、シーツを掴み、あーあーと呼吸なのか声なのか解らない声を上げながら、身を攀じる。

「気持ちがいいならたっぷりしてあげますからね。」

ぬちゅ ぬちゅ ぬちゅ ぬちゅ

「っはあ!だめ、いっちゃう!イっちゃうからぁッ!だめ、ッ、あ、アッい、、イク、イくッ!!」

ひゃああん!と一際高い声を上げて、背を反らし、絶頂をきめた。
腰をびくんびくんと跳ねさせて、うッと声をもらし、快感の波が収まるのを待つ。

「っはぁ…はぁ…。」
「イレブンさん、どうかしたんですか?」
「どうかしたって…。」
「イっちゃったんですか?」
「…そ、そうだよ…。」
「いや、まだ出てないじゃないですか。」

カミュは悪気なく、イレブンのペニスを一撫でした。
「っあん!」
「ほら、全然ですよ。まだイきたりなかったんですね。演技だったんですか?今度は途中でイくって言ってもやめませんからね。」
「だめ!イっちゃったから!ほんとうなの!だめぇ!!」

本気で止めたつもりだったが、カミュは再び前立腺をこりこりと刺激しだした。雌イキをキメた体はいつも以上に敏感になったから、蠢く指も、腰を掴んでいる手でさえ気持ちがいい。

「やっ!だめ、だめ、す、すぐに、イっちゃうからあああ!!!」
じゅぶ じゅぶ じゅぶ じゅぶ
「やあああん!!いっちゃうぅう!!あんッ!」


ビクン。
「あぁッん」
声を漏らし、再び指をぎゅうぎゅうと締め付けて体を跳ねさせる。

「本当にイってるんですか?」
「…そ、そうだ…よ…。」
「精子出てないですよ?」
「でないのだから…。」

カミュは指を引っこ抜き、まだ敏感なままのイレブンをひっくり返して顔を見る。覗く顔は何だか訝しげだった。
「あの、もしかして、まだ精通してないんですか?」
物凄い真顔で言われると、ちょっと怯んでしまう。
「…よく、それ聞けるよね…。…してます。さすがに。」
「何歳の頃ですか?」
「へ?」
「きっとそんなに前じゃないですよね?まだ初々しいっていうか、あんまり弄ったこともなさそうだし…。今、16ですよね?じゃあ、2年前くらいですか?」
「だ、だからそれは流石に、」
「あ、じゃあ1年以内だったりして?」
「やだ!いじわる!」
「図星ですか?あはは、可愛い。別にからかってるわけじゃないですよ。納得できるというか…。とりあえず良かった。前の俺が、精通もしてない人とセックスしてたら、流石に引くところですよ。」
「…そうだね。」

そもそもイレブンの体をこんなにしてしまったのは他ならぬカミュだというのに、まるで人が最初からこんな淫らだったかのような口ぶりが何となく腹立たしい。

「イレブンさんは精子を出さなくても気持ちが良くなれるんですね。…しかも何度も。連続で。」
「それは、君が」
「射精するのとどっちが気持ちがいいんですか?」

さっきから直接的な質問ばかりが飛んできて参る。前のカミュとだってそんな話をした記憶はないのに。

「…ど、どっちも、きもちはいいよ?」
「結構素直に回答してくれるんですね。嬉しいです。」

アクメの後の、まだ敏感な肌にカミュの肌が触れる。胸をぴったり合わせるようにしてキスをされると、快楽というよりももっと心の奥底が気持ちよくなる。心臓の音が響きあうようで、体が一つになる感覚だ。それが本当に気持ちがいい。唇が離れても、もう一回して、と、この夜初めてイレブンからキスをねだったほどだった。

「その気になって来たっていうことですか?」
「ん…そういうことで、いいよ。だって…君とだから。」
「本当に、イレブンさん、可愛いですね。俺は、こんなに可愛い人のことを忘れてしまったんですね。」
「カミュ…?」
抱き起されて、そのまま抱きしめられる。やっと抱きしめて貰えた気がする。正直弄る前にしてほしかった。

「二度と俺が貴方のことを忘れないように、貴方が俺のことを忘れないように、たとえ忘れたとしても、交わるだけでこの想いが思い出せるように、貴方の体にたっぷり…たっぷり刻み込ませて下さい。…いいですよね?」
「…うん。」

もう一度溶けるようなキスをする。
一生、記憶が戻って来なかったとしても、君のことを愛している、とイレブンは心の中で誓った。そう思えば、今日の行為も彼の戸惑いも、全て違和感なく受け入れられる気がした。
「カミュ…もう、いれる?」
「いいですか?」
「うん…その…君が嫌じゃなければだけど、その…前の君は、口とか好きだったから。」
イレブンはそろりとカミュの中心に手をやる。ズボンの奥で出番を待っている彼のペニスは服の上からでも解るほど固くなっていた。
「口…?」
「だから、その…お手伝いっていうか…。」

行為の名前を口にする勇気は無くて、濁す表現ばかりだったけれど、カミュは一度イレブンをぎゅっと抱きしめてくれた。
「イレブンさんに口でして貰えるなんて…。本当にいいんですか?」
「うん。」
「ありがとうございます!」

正直得意じゃないので、自分から切り出すのは勇気が必要だった。それに前のカミュはこんなに喜んでくれなかった、というか、しゃぶれよ状態だったので、こうも喜ばれると頑張らねばと思える。

カミュは漸くズボン脱ぎ捨てて、ベッドの上に座った。広げられた脚の間にイレブンは座ってからだを屈める。それからゆっくりと、すでに蜜の溢れたペニスを舐め上げて、しゃぶりついた。
「っ…」
歯を立てないように気を付けつつ、口を窄めて亀頭を刺激する。正直カミュのリアクションを確認する余裕はないけれど、舌を使ってゆっくりゆっくり高めていく。
「すごい、巧いです…。」
「んっ…。」
亀頭にキスをして左手でカリを扱く。裏筋を舐め上げ、陰嚢にキスをしてから再び口にする。流れてくる髪はカミュが止めてくれる。無言のまま観察されるのは中々辛いけれど、意識しないように行為に集中する。
ぐぷッ ぐぷッ
記憶がなくても、カミュはカミュだ。自分の中と同じように、カミュの体で、カミュが悦んでくれたところを思い出しながら触れる。

正直こんなの死ぬほど恥ずかしい。けれど、もし最初の状態のままカミュになされるままに成っていたら、それははっきり言って無理矢理の行為でしかない。それは嫌だった。
カミュは無茶振りも、無理強いも、無かったとは言わないけれど、最終的には妥協してくれた。行為を嫌いになっていないのは、ひとえに、カミュが大事にしてきてくれたからだ。
だからよりによってカミュに無理矢理なことをされてるわけにはいかなかった。彼の情動を止められなかったというのなら、自分から彼を愛してやればいい。そうすれば無理矢理のハズの行為は何時もの行為に変わるはずだと、それが正しいかどうかは別にしてイレブンはそうやって自分の身を守るほかなかった。

ぐっぷ ぐっぷ

「イレブンさん…!」
「げほッ」
髪を掴まれて行為を中断された。そのまま愛液で溢れた唇をしゃぶられてキスをする。
「んッ…。」
「イレブンさん、もう最高過ぎてでそうです。…中、いいですか?」
「うん…いいよ。」

イレブンを寝かせて足を持ち上げる。晒された秘部はぴくぴくと反応している。その様はまるでねだっているようでいやらしい。
イレブンの唾液で濡れている亀頭をぐりぐりと穴に押し付け、その体に覚悟を求める。穴を少し広げてから、ぬぷりとそれが収まった。

「ッは…!」
「ああ、すごい…イレブンさん、すごく熱いです…!」

じゅぷ じゅぷ

「んッあぅ…」
「はぁ…はぁ…イレブンさん…ゆっくり動かしますからね。」

ぐちゅぐちゅじゅぷじゅぷ

何度も経験のあるはずのソレなのに、イレブンはまるで知らない人に愛されているかのような感覚を覚えた。サイズや熱さえ違う気がする。…もっともカミュ以外を知らないので良く解らないのだけれど。

ぬっちゃ ぬっちゃ

「はぁ…カミュ…。」
「気持ちはいいですか?」
「うん…。」
「もっと、もっと気持ちよくしてあげますからね…!」

カミュは膝を抱えつつも器用に、イレブンの胸に触れる。体がビクンと震えたのも気にせずに、そのピンク色の両乳首をそれぞれ二本の指でぎゅっと挟むと親指の腹でじんわり刺激する。
「ひゃああ!!」
「ぐッ…すごい、イレブンさん、すごく締まりましたよ…!すごく気持ちがいいです。」
「あっ、カミュ…そこだめだよ…。」
「何でですか?…ああ、指よりこっちの方がいいですか?」

カミュは体をぐっと持ち上げて、一瞬で乳首にしゃぶりついた。
とてつもない快感にイレブンは声すらあげられず、カミュの滾ったものをぎちぎちと締め付けながら背を反らし、静かに絶頂へ突き進むだけだ。
カミュはそんなイレブンに構う余裕がないのか、ぷちゅぷちゅと乳首を舐め上げ吸い付き、唇で強く刺激をしながらイレブンの激しい呼吸に興奮していく。

「カミュ、かみゅ。…。」
「イレブンさん…さっきの、見せて下さい。精子出さないでイくやつ…。イってるイレブンさんの顔、じっくりみたいです。」
「っあ…はぁ…。」
「さっき指でいっぱい弄ったところ、今度は俺のペニスでガンガンしますね…!」
「あ、かみゅ、だめ…だめ…」

制止など聞くわけもない。ぎゅうぎゅうに締め付けてくる秘部で自身のペニスをしこりながら、さっきの場所を探る。
「!!」
一か所、イレブンが顕著に反応を返したので、そこを激しく突いた。

「やああああああああんッ!!!!あんッ!だめぇえ!!」

背をぐっと反らせて、ビクンビクンと体が跳ねる。過呼吸になりそうなほど呼吸を繰り返し、腰を揺らす。眉間に皺をよせ、快楽に耐えている。

「だめ…だめ…かみゅ。…。」
「もっと、もっと…。」

ドチュ ドチュ ドチュ ドチュ
ジュッパ ジュッパ

カミュは先走りをこぼしながらイレブンのポイントをゴリゴリ攻め続ける。秘部の水音がどんどん音を上げていく。奥の奥に射精をしてやろうとごりごり付いた。
「やらぁあ、らめぇッ!!いっちゃうからッ!!」
「イってください、見せて下さい…イレブンさん…!!!」

ばちゅ ばちゅ ばちゅ
じゅぼ じゅぼ じゅぼ

どちゅん

「ッ!!!!」
「奥あたっちゃいましたね…!好きなんですよね、ここ…!」
「はぁ、ああ、あんッすき、すきッ、すき…カミュ…おく、いっぱい…」
「すごいですよ、イレブンさんのもやっと固く起ってきました…。気持ちがいいんですね…!」
「きもちぃいい、きもちいのッ!!」

ばちゅ ばちゅ

「おくッ!かみゅの、あついの…!おく、いっぱいちょーだいッ!!」
「いま、たっぷり流し込みますからね…!!」

激しく奥をつき、震える体を抱きしめるようにぴったりを合わせながら、イレブンの苦悶に満ちた顔を見て快感を覚える。気持ちがいい。

「やッい、イっく、イくッ!かみゅ、イっちゃうッ、いッあ、あ、あっ!!」

「イレブンさん…!」

「ひゃああんん!!…!!」


カミュに抱きしめられたままだったので、飛び跳ねることはなかったけれど、ベッドと背中の間に明らかな隙間が出来るくらいには、イレブンの背中が反った。そして、2人の間で何気なく起っていたイレブンのペニスもぴゅるっと精を吐いた。
その熱さ、そしてまだ絶頂の中に居るイレブンの表情、肌、声の全てに煽られるように、カミュはたっぷりとその中に精子を流し込んだ。

自分を、刷り込み、刻み込むように。

白濁に飲まれるように、意識が遠のく。

「ん…。」
「イレブンさん…すごく、可愛かったです…。」
「カミュ…。」

触れたくて、でも体が動かない。
それを察してか、カミュが覆いかぶさるように軽くキスをしてくれた。

「休んだ方がいいですよ。後のことは俺がやっておくので。」

その声を聴いて、イレブンは今度こそ意識を手放した。












そして今、床に身を投げ出して謝罪している。
「本当に、本当にすまなかった…!!」
「だから、もういいって…。」

こんなに打ち砕かれているカミュは、中々お目にかからない。
多分、カミュ史上最高にダサい。

「いや、もう、許されるレベルじゃねぇ…。」
「っていうか、覚えてたんだね。」
「…はい。」
「そーいうことは、前からしてたんだからさ、そんなに」
「いや、行為っつーか、俺は何を口走ったんだっていう話でな。いくら何でも聞いて良いことと悪いことがあるだろっていう。」

あれのことか。

「…流石に面食らったけど…でも、まぁいいじゃない。っていうか、むしろもうその部分忘れよう?」
「忘れられるわけがねぇよ。二度と、お前のことは忘れたりしない、って誓ったことちゃんと覚えてるぜ?お前が記憶のねぇ俺を受け入れてくれたっていうことも、お前の精つう」
「わああああ!!!ギガデイン!」







イレブンは部屋替えしたいと言い出し、一悶着したのは翌日のことだった。


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