ビデオの中の少年
初出:べったー/2017-11-05
掲載時タイトル:夢で見た話A(夢でみたものをそのまま書いたもの)





カミュが終電から降りて帰る途中だ。

帰路の途中にある路地裏の自動販売機に立ち寄ろうとしたところ、物騒な声が聞こえた。
そっと覗くと男が3人誰かを囲んでいる。こんな夜中に。
家に帰って早く横になりたかったが、そこまで正義感がない人間でもなかった。

「おっさんたち何してんだ?」

声を掛けると見覚えのある顔だった。
そういえば半年くらい前にシメた記憶がある。

「ゲ」

男たちはそそくさと去って行った。たまには顔が効く。

「おい、あんた大丈夫か?」
取り囲まれて座り込んでいた人物に声をかける。暗がりで良く解らないが、
帽子の下に覗く髪はとても美しい。座り込んでいた人物がふと顔を上げる。
見覚えがある気がする。
「あ、あの」
声は少年のようだ。尻もち状態から立ち上がり、こちらへ歩み寄ってきた。
身長が自分より高いのが何だか腹立たしかったが、
自動販売機の明かりに照らされた顔を見て心臓が止まるかと思った。

「(ウソだろ)」

知っている。いや、向こうはこちらのことなんか知らないだろうが、カミュは知っている。
何度お世話になったことか。

「あの、ありがとうございました。」
少年、いや、成人済みのハズだが、ペコリと頭を下げる。
「いやまぁ気にすんなよ。」

動悸が収まる気がしない。
目の前にいるのは、つい最近知った男優である。
それも、年齢制限付きの類の。
これがまた物凄くエロいのだけれど、そんな話をしている場合ではない。

「ここらへん治安良くねぇし、さっさと帰った方が良いぜ?」
「はい、でも」

そうだ、自分は終電で帰ってきたんだった。

「電車ねぇか。」
「…実は今日お財布も持ってなくて。」
「へ?」
「タクシーって、交通系ICカード使えるんでしょうか。」

いや、どうだろう。

「あ、でも残金…」

カミュは息を飲む。この展開はなんだ。この安いエロ本みたいな展開は。
ありがちなあのセリフを思い切って言えばいいのか?言えるのか?
いや、問題ないだろう。こっちが向こうを知っているということさえばれなければ。
そうだ、出演作は全部電子データで持ってるわけだし、部屋に怪しいものはない。
別に変な事をしようなんて頭はない、何が問題なんだ。そもそも断るだろうし。

「助けたのも何かの縁だろうし、俺んち来るか?」

うおおおお、言ってしまった!

「え?いいの?」

快諾かよ!

「けど、助けてもらった上、部屋まで借りるなんて申し訳ないよ。」
「気にすんなよ。つーか俺自販機に用があったんだ。あんたも何か飲むか?」
「え?う、ううん、大丈夫。」

そう、俺に一切の下心はない、とカミュは言い聞かせる。
そして「人助けなんか息をするようにしてます」くらいの雰囲気を醸し出さんとした。
そう、自分と彼はここで助けただけの関係であって、それ以上になるわけがない。
目の前にいるのが本物である確証はない。だが、この可愛さよ。2人といるものか。

カミュはぎこちなく飲料を買うと、「そんなに遠くねぇから」と少年を連れて部屋へ向かった。

後ろから付いてくる気配を感じて、心臓がバクバクいった。


この少年、いや、青年。いや、違和感があるので少年でいい。
そのケの無かったカミュをその道へ引きずり込んでしまった人物である。
カミュがネットで年齢制限的な動画を探していた時のことだ。
普通に異性交友を探していたのに、偶然混ざり込んでいたのだ。
こんなに幼い雰囲気で、こんなに女顔の男が居るのか、と驚くと同時に、
その雰囲気、声、技等等が、会心の一撃だった。


アパートの部屋までは5分ほどだったが、実に長い距離だった。
「ボロいけど。」
「僕も似たような感じだから。」
ドアを開けて招き入れる。
少年は、お邪魔しますと靴を脱いだ。

カミュはマメな男だ。部屋はかなり綺麗だ。
実に何も考えてませんという風にカミュはずかずかとテレビの前まで行き、
机に買ってきた飲み物何かを置く。少年はとことこと追いかけてきた。
「ま、始発って5時くらいだろ?それまでゆっくりしてけよ。」
「ありがとう。お世話になります。」

少年はソファにちょこんと座った。
「(やべぇ、これ、俺大丈夫なのか?)」
カミュの頭の中には今まで見てきた動画がフラッシュバックする。
あんなことやこんなことをしているのか、その体で、と考えたが最後、煩悩が溢れだす。

「何か飲むか?」
「ううん、大丈夫。」
ソファなんか一つしかない。寝られるように3人掛けのものなのが幸いした。
端っこにちょこんと座っているその反対側にゆっくり腰掛ける。
「テレビつけてもいいか?」
「どうぞ。」
平静を保とうとテレビをつける。この時間帯はBSで海外のスポーツニュースをやっているはずだ。
無難だろう。

テレビを付けると少年もそれを見ている。おかげでその横顔をガン見してしまう。
「(間違いねぇよなぁ)」
何度も見たし、間違えるとは思えない。

暫く見ていると視線に気付いたらしい。カミュの方にくるっと振り向いて、ニコリと笑う。
「僕のこと、見てた?」
「あっ」
見てたとも。素直には言えないけれど。
「悪い、いや、コート着たままだし寒いのかなとか思って。」
「あ、そんなことないよ。大丈夫。色々気を遣わせてしまってごめんなさい。」
「いや、来るかって聞いたの俺の方なんだから気にすんなよ。」
「見ず知らずの人を助けてくれるなんて、優しいんだね。」

自然な世間話を振ってくれる、ありがたい。

「まぁここらへん治安悪いし、3対1じゃ流石に。無意識に声かけてた。」
「そうなんだ。」
少年はこちらを、優しい視線で見ている。
「どうかしたか?」
何となく聞いてみただけなのだが。

「ううん。僕のこと知ってたのかも、と思っただけ。」


ドクリと心臓がはねた。
「(どうする、俺…)」

言うべきか?知ってるって。いや…。だけど、
これがもし普通の芸能人だったら、「いつも見てます」とかいうわけだろ?
それがビデオの内容如何で言わないってのも変じゃないか?とかそんなことを考える。

「…まぁ、似てる人は知ってる。別にだから助けたってわけじゃねぇけど。」
我ながら巧い返しだ、などと思うくらいには混乱していた。
「似てる人?」
「ああ…けど、人違いだったら悪いから言わないでおこうかっておもって。」
「そうなんだ。…それって誰か聞いても良い?」

追い詰められた。少年の目が笑ってる。これはバレてるだろ。

「あー…。」
言葉に窮すると少年はイタズラに笑った。
「ははは、ごめん。カッコイイからつい、からかっちゃった。」
「ちょ」
「こんなにカッコイイ人が僕のこと知ってたら、嬉しいなって。けど、そんなわけないよね。」

動画の中の少年と同じくらいに悪戯に煽ってくる。
動画の中だったら、煽って煽って、昂ぶったところをパクリと咥えるんだ。

「けど、なんか、仕草とかもそっくりだし、本人なのか…?」
「本人かもよ?その人の名前、言ってみて?」

少年はすっと近寄って息が触れそうなほどに距離を詰めた。
まぁ、知ってるっていうことは、そういうことだから、近寄っても嫌がられないと解っているんだろう。
見つめられる。脳みそが完全に溶けた。何も考えられない。

カミュは、少年の名前を口にする。
「エル」
そこまで言うと唇を指で制する。

「本名はね、イレブンって言うんだよ?」

制していた指を今度は自分の唇の前に置いて、
「そう。皆には秘密にしてるから特別だよ?」

色っぽくつぶやいた。
助けた相手はやっぱりあの彼だった。本名はイレブン。

「イレブン…。」
「うん。」

溶けた脳みそに練り込む。絶対に忘れないために。

「ふふ、けど、本当に知ってたの?」
「つーか、マジか…マジで本人なのか。」
「そうだよ?へぇ、カッコイイのに、そういう趣味なの?女の子残念がっちゃうね。」
「いや、そういう趣味っていうか、あー、そのな。」

もうばれてしまったのだから、告白しよう。

「動画とか全部見たし、全部保存してあるし、つーか昨日の見たから、もう間違えようがねぇっていうか。いや、けど、その、その手のモノはその、エル以外見てねぇっていうか」
「そうなの?じゃあ両刀?」
「両刀っていうか、もう、性別突破してドストライクだった。」

脳みそが溶けてしまったので、理性が効かない。本人に何を言っているんだと、
遠くから声が聞こえた気がするが、応じることもままならなかった。

「そんなに気に入ってくれたんだ。ありがとう。」
「いや、もうこっちがお礼を言うレベルで」
イレブンが帽子を取った。あの髪が現れる。それからコートも脱ぐ。
現れたのは実に普通の服なのだけれど、その線の細さに息を飲む。
「なんか、知ってる人だって思うと安心しちゃって…体熱くなっちゃった。」

体が熱いとな!?

「何か水とか飲むか?」
「ううん。」
それより、といってぐっと顔を寄せられた。

「お兄さんカッコイイから、“お礼”してもいいよ?」
「お礼?」
「うん。…だって、もう、すごいもんね?」

ばれるまいと思っていたがばれていた。
こんな近くにあの体があって興奮するなというほうが間違っている。
「いや、これは」
「昨日も見てくれたんでしょ?それとも、動画の方が良い?」

こんなことが本当にあるのだろうか。
ドッキリでも仕掛けられているんじゃないだろうか。
そんなことが多少は頭にあったが、占有していたのは単純な欲望だった。

あの舌で弄られたい。

「あーこれは」
「口は嫌?」
「嫌じゃない…!!」

イレブンはカミュの前にしゃがむ。そして見上げる、物欲しそうに。

「ほ、本当に?」
「いいよ?ベルト、外して?」

ベルトを外すと、ズボンと下着はイレブンも手伝ってくれた。

ご立派に育ったペニスが現れる。
流石にイレブンは大きな反応を示さなかったけれど、
「僕でこんなになってくれるなんて嬉しいな」と笑った。

「触って良い?」
「ああ。」

あの白い指がそっと竿に触れる。
「固いね。」
そしてチュッとキスをされた。もう限界だが多分気付かないふりをしているんだろう。
赤い舌をチロリと見せつけて、裏筋に這わせてくる。
ここでイくわけにはいかない、カミュは耐える。

「ここ、舐めても大丈夫?」
鈴口のことを言っているらしい。
「大丈夫…だと思う。」
「じゃあゆっくりするね?嫌だったら言ってね。」

ペロペロと舐められる。こんなに気持ちがいいものなのか。
陰嚢からゆっくり舐め上げられて、カウパーが溢れる。
「ごめんね、もうちょっと待っててね?」

時折髪を耳にかけながら、上目で表情を確認しつつ舌は止まらない。
チュッチュと亀やらカリやら、気持ちのいい場所ばかりを刺激して来て、寸前だ。

「おっきいから、ちゃんと入るか心配だけど。」

竿を親指、中指薬指でそっと握り、優しく動かしながら出している舌に亀を時折こすりつける。
立っている小指に発情する。ふしだらに空いた口に視線誘導される。
ああ、あの中に納まるのかと考えるとより質量が増した。

「まだおっきくなっちゃうんだ。」
小悪魔な笑みを浮かべてから、売ら筋をチロチロと舐める。

「いつでも出していいからね?」
動画と同じように、髪を耳にかけて小さな唇で先を咥える。
その小さな口にどうして入るんだろうか、ぐぷぐぷと飲み込んでいく。
そして体を揺らして咽喉で愛撫される。
じゅぽじゅぽとあえて音を立ててくるのが流石としか言いようがない。
「んっ…んっ…」
そういうことを生業としているとはいえ、こう完璧に責められては悔しくもない。
あっという間に臨界点に達する。

「出そう…」
「んッ…はぁはぁ…出していいからね?」
改めて許可をしてから、再び飲み込む。またじゅぽじゅぽと音がする。

思わず美しい髪に触れた。
イレブンはそれを合図だと思ったようだ、咥内をすぼめてまるでそれは絞り出そうとしている。
「ッ!」
「ん」

びゅる、り。

促されるままに、その口へ出してしまった。
イレブンはわずかに眉を顰めたが、んふっと息を漏らして、吸い上げつつ引き抜いた。
引く糸すら吸い取って、ぺろりと唇を舐め上げる。ん、と目を瞑っているが、暫くしてふぅっと笑った。

「飲んじゃった。」

舌を出し口の中を見せつける。出したものの一端もない。

「つーか、ほんと、マジで悪い。」
「何で?」
「いや、だって、俺なにさせてんだって話で。」
「そう?謝らなきゃいけないのは僕の方かも。」

イレブンは腰を上げて視線を合わせてくる。

「口だけじゃ満足できないもん。」

はあッ!?
驚いて背中を反らすカミュにじわじわとにじり寄る。
「だって…すごく固くて大きくて…興奮しちゃって…。」
演技で頬を赤くすることは可能なのだろうか、顔は真っ赤だった。

「…だめ?」

破壊力しかない。
目の下を真っ赤にして、僅かに見上げられて、可愛い声でおねだりされて、
それを拒否するなんて無理な話だ。聖人君子だってただの男に戻ってしまう。

「…そっちこそ、良いのか?」
「何が?」
「一般人とそういうことして。」
「明日は予定無いから。」

息がかかりそうなほど顔が近くにあって、思わず顎に手をやった。
まるで猫の様にくすぐったそうな顔をする。

「キス、して?」

求められるまま、キスをした。
初めてなのに、何度も愛し合ったみたいな濃厚なキスだった。
舌を絡めたままイレブンはカミュの膝の上に上がって、齧り付くように貪った。

唇を離すと息を荒くしたまま、脱がして、と言われた。
シャツのボタンを外し胸を曝す。汗ばんで赤くなっている。
ズボンのベルトを取ってファスナーを下ろしてやる。

「そこに居ていいよ?僕が上に乗るから。」

イレブンはシャツを脱いで、ズボンを下ろした。
映像では何度も見た彼の肌だが、実際はもっと美しい。皺も傷もシミもない、完璧な肌。
自分の持っていた小さなポーチからチューブを取り出す。

「それ」
「ローションだよ?この間仕事の後、余ったって貰ったの。ちゃんと後ろ用だから乾きにくいよ?」

慣れているだろうに見られるのは恥ずかしいらしい、手で何気なく前を隠しながらカミュの元へ戻る。
そして定位置かのように膝の上に向い合せて座る。
「馴染ませてるとこ見られるの恥ずかしいから、その間キスしててもいい?」
自分で自分の穴を解すというのだ。
自分は、相手が出来上がるのを待っていればいいとでもいうのか?
「…俺が馴染ませちゃ駄目か?」
「…いいの?」
イレブンは自分の手に慣れた手つきでローションを出す。
あまりお目にかかったことはないが、普通のモノよりぬるりとしているようだ。
「使って?」
カミュはそれを指先で掬い取るとイレブンの秘部へ宛がう。
「ッふ」
男の尻に指をつっこむなんて初めてだったけれど、一切の嫌悪感がない。
ぬるぬると秘部の周辺を弄っていると、「指入れて」とねだられた。
希望に沿うべく少し力を入れて穴の中心を押し込むとぬぷりと指が入った。熱い。
「ッあん」
ワザとか漏れたのか解らないが甘い声を上げた。
イレブンは少し恥ずかしそうにしながらカミュにキスをした。
指の抜き差しを繰り返していると可愛い声が漏れ始める。
「んッ、んッ」
きつくはなくなってきたので、広げるような動きに変えた。
「っあぁん。…男の人と結構エッチするの?」
「いや…今日が初めてなんだけど。」
「本当に…?ッ…すごく、うまいね。すっごく気持ちがいいよ?僕君の指好きだな。」

目の前で可愛い声を出して喘がれると、ペニスは二度目を期待して育ち始める。
「もうちょっとローション使って?」
言われるまま掬い取ると、イレブンは手に残ったローションをその手にネチネチと馴染ませてから、
育ち始めたペニスを握った。
「ッ!?」
「僕のお尻…もう、早く欲しいって…」
カミュはイレブンの手淫を受けつつ、秘部に再度ローションを塗りたくって穴を広げる。
きっちり馴染ませなければいけない。ぬちゃぬちゃと音を立てながら扱かれてあっという間に熱が戻る。
イレブンの中も比較的広がってきたようだった。3本くらいなら入ってしまう。
これなら大丈夫じゃないか?

「入れていい…?」
「それはこっちの台詞じゃないか?」
「じゃあいれちゃう。」

イレブンは膝立ちになってカミュの首に片腕を回す。
それから扱いていた手でペニスを支えたまま、自分の穴に宛がいつつゆっくりと腰を下ろす。
ぬぷッ。
亀頭が収まる。
「んッ」
イレブンの甘い声の陰でカミュも息を漏らした。
ヤバい、あの、あのエルの穴に自分のモノが入っていく。
あの淫らで、物欲しそうに締まるあの穴に。

「あん・・・」
半分ほど収まった。体位が体位なだけにきっちり奥までというわけにはいかないが、
カミュのモノは十分太く、イレブンの穴はそれをきゅうきゅうと締め付けているから、
動いても抜ける気配はない。
2人、吸い付き合い、しゃぶり合うようなキスをしてから、イレブンがゆっくりと腰を動かし始めた。
腕は首に回して、胸を擦るように密着させる。
ローションがぬったぬったと鈍い水音を立てる。
亀頭が抜けないカリぎりぎりまでのピストンに焦らされるような快感を覚える。
ピストンとグラインドを交互に繰り返す。その動きは激しくなっていくが、
じれったいのはカミュだけではなかったらしい。

「んッ…おく、ほしい。」
「どうすればいい?」
「横になってもらってもいい?」

ソファは横になるには幅が狭すぎた。カミュはイレブンの腰を抱き、
抜けない様に気を付けながら、床に座る。
「アんッ」
宜しくなかったかと謝ろうとしたが、イレブンはエロい目でこちらを見ていた。
「やだ、繋げたまま体位変えるなんて…巧いんだね。」
「気持ちいいから抜きたくなかった。」
そしてゆっくりと上体を寝かせれば、騎乗体が出来上がった。

「っあぁん」
奥にはまったのに声を上げる。可愛さに熱が高まる。
「奥…固いのいっぱいあたってきもちぃ…あぁん、もっと、もっと…」
さっきよりもダイナミックに腰を振った。ビデオで見たものよりずっと激しい気がする。
グラインドでペニスが壁内を暴れ回り、ピストンで奥を突く。

そこから見える景色はハメ撮りなんていうレベルじゃなかった。
腰の上で踊らせているのではない、色責めでも受けているんじゃないかと思う。
「あぁッ、あぁッ、きもちぃ…きもちぃ…かたいの、あたる…あんッ」
胸を張り、腹に手をついて苦悶とした表情を見せて腰を振っている。
イレブンのペニスも固くなっているらしくフルフルと震えていて、
触れている内腿が汗ばんでいるのも解る。

動画で善がっているのを見ているだけで抜けるんだ、
こんな生でそれを見て、それを味わっていて、イけない訳がない。

興奮し、固くなるペニスにイレブンがより身を悶えさせて喘ぐ。
「はぁ、はぁ」
息を整えつつ、蕩けた目でカミュを見た。
「あん…もう、ナカに欲しいな…」
その台詞と共に中がキュンっと締まる。
「いつでも出せるけど…」
「じゃあちょうだい…でも、」
イレブンは胸を上下させて息をしながらも、色っぽい目をして聞く。

「その前にね、名前、聞いて良い?」

こんなに淫らな行為をしているのに、そういえば名乗っていなかった。

「カミュ、だ。」
「カミュ…呼びやすいね。名前、一杯呼んでも良い?」
「呼んで。」
「うん、カミュ。」

イレブンは嬉しそうな顔をしてから、腰を振り始める。
さっきよりもずっと奥まで入っているし、さっきよりも太く固い。
全身でそれを扱くように、口で締め付け、肉壁でしゃぶる。

さっきとは段違いのグラインドだ。ピストンの締め付けも半端じゃない。

「あ、あ…」
「イレブン…やべぇ、」
「出して、だして!」

イレブンがビクンと体を震えさせる。
カミュはたまらず体を起こし、イレブンの腰を抱いて床に押し付けた。
「やだッ、ねぇどうしたの…!?」
「正常位がいい。だめ?」
「もう…いいよ、奥にいっぱい出して、僕のイき顔、一杯見て。」

片足を抱え上げ、腰をぐっと差し込む。
「ああッ!」
眉を顰め一際高い声を上げてから、もう、と笑う。
体を曲げるようにしながらキスをした。
カミュはがむしゃらに腰を振った。イレブンの求める奥を突くように激しく振った。
「あんッあんッあんッ」
動画と同じように声を上げて、でも絶対的に違うのは、
「カミュッ、イイ、キモチイイッ!カミュ、もっともっとッ!」
名前を呼び、求められるということだ。
喘ぎ声に混ざり名前を呼ばれて、煽られる。腰はもう止まらない。

「あ、イレブン…出す…!」
「かみゅッカミュッ!!あ、ああっ!!」

びゅびゅッと中に放つ。
イレブンの体がドクンドクンと跳ねて、穴がギュッと締まる。その締まりにカミュはさらに精液を吐いた。

お互いの息が整ってきて、笑いあう。
「はぁ…カミュすごい。」
「もう、マジで完敗なんだけど…やべぇ…」

カミュがゆっくりと引き抜こうとしたところ、白い脚で腰を抑えられた。

「まだ固いよね?」
「え」

脚で抜けかかっている竿を擦られた。ドクンと脈打ち熱が戻る。

「もう1回…だめ?」
「いいのか…?」
「後ろからがいいな?」
要望通りにと体位を変えようとすると、
「やだ、抜かないで変えて?」と、注文が来た。

その時の声と目と唇を舐める仕草のその艶に、カミュは完落ちした。




若く盛りのカミュが枯れるまでつながった。
まるで自分のモノにしたかのようにイレブンの腰を抱いて2人ベッドで寝ていた。
隣の男の髪を撫ぜながらイレブンは呟いた。

「3人分逃しちゃったのは勿体無かったけど、でも、すごいの見つけちゃったな?」
イレブンは腰を摩りつつ夜のことを思い出す。
「当面魔力には困りそうにないかも。」

時計はとうに5時を回っていて、家には帰れるだろう。
けれど、折角見つけたのだ、ちゃんとつなぎとめておかねば。

イレブンは悪魔の顔をして嗤った。












ごとん「っていう夢を見たんだ。どう思う?」
ユング「欲求不満じゃない?」
フロイト「だよね。」





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