支配欲
初出:ベッター/2017-11-12

ベッターで書いたものをpixivに転載。当掲載はpixiv版


カミュと酒を飲んでいた。
正確に言えば酒を飲んでいたのはカミュだけなのだが、
雰囲気に酔ったのだろうか、イレブンはすっかり眠くなってしまって、
普段は人前では憚るのだけれど、恋人の腕にすっかり落ちてしまった。

優しく髪を撫でられて、すっかり幸せな気持ちになった。


男は喉を鳴らして笑った。








目を覚ました時にはすでに縛り上げられていた。寒い。服はない。

男、いや、恋人がやはり何も纏わずに目の前で座っていて、
ああ、この人に縛られたのかとぼんやり思った。

「これって。」

疑問に回答はなく、キスだけされた。
手に縛られていて、抵抗はままならない。

「俺はお前が可愛くて仕方がねぇんだ。」
「カミュ…?」
「何時もお前のこと考えてるし、お前の全部を手に入れたい。けど、お前も頑固だから、中々全部を見せてはくれないだろ?」
イレブンは隠せているつもりは無い。どうしようもないところも弱みも全部カミュに見られてきたと思っている。けど、違うらしい。

イレブンは起こされ、ベッドに座らされた。縛られているとバランスがとりづらいが、カミュが支えてくれる。

「今日は見たいもんがあるんだ。」

カミュはそっと小さな金属製のボールを見せた。鉄だろうか。重たくて冷たそうだ。

「それ、何?」
「お前は気に入ると思うぜ?」

そう言ってその球体をぺろりと舐めると、イレブンをギュッと抱きしめてから、それを秘部へを持っていく。
「え、や、やだ、なに、どうするの?」
「俺のよりは小せぇから入るだろ?」

ヌプリと入った。
どうやら気を失っている間に穴は慣らされていたらしい。痛みは一切ない。
「やッ!!」
冷たくて、何となく重たい異物が穴の中に納まった。重さで出て来そうになる。
「ちゃんと締めて。出したらだめだぜ?」
「やだよ、ど、どうするの…?」
「言っただろ?“見たいもんがある”って。」

カミュは抱きかかえるようにして、イレブンをゆっくりと横にする。縛った腕を頭の上になるように持ち上げる。尻をつかせ、腰、背中とゆっくりと。じれったいほど緩慢に。

ぐりッ。

「!?」

戦慄した。入れられた何かが中のイイ場所をかすった時、入れられたものが何をするためのものなのか解った。体がこわばる。
「だめ!!」
「大丈夫だって。」
このまま横になってしまったら、中の何かがもっと強く当たってしまう。横になってたまるか、と抵抗をするが、上から押さえつけられる。
かろうじて背を反らし腰がまっすぐベッドに横にならない様に頑張ってみるが、この姿勢は疲れるし腹を釣りそうだ。

「力むと体が痛い目みるぜ?」
「おねがい、やめて…やめて」

懇願するのを見下ろしてカミュは恍惚としている。
「可愛いな、その顔、表情。俺のことが怖いだろ?」
「ちがう、ちがうよ、こわいのは…」
「いいんだイレブン。その怯えた顔が“見たかった”。最高に可愛いし、最高に」

そそる。


カミュは少し乱暴にイレブンのペニスに触れた。
「きゃッ、」
女のような悲鳴を上げた直後力が抜けた。そして、
イレブンの体重がかかり、入れられた何かが、ぐっとイイ場所に触れる。

「ッ!!!あぁあああああ!!!!」

何時ものカミュの固く滾るそれで突かれるのと同じくらいの快感の波がやってきて、全身が力んだ。だが力めば力むほど、入れられたソレが前立腺に押し付けられるように刺激してくる。
「あ、あッ…むり、これむりだよぅ」
「微妙にずれてるだろ?場所修正してやるから。」
少しだけ腰を浮かされて楽になったのもつかの間、カミュに再び指を入れられ、ボールの位置を直された。イレブンの体を知り尽くしたカミュがメスポイントを間違えるわけもない。コリっとしたその場所に当たるよう位置を調整された。かたい金属の塊がメスポイントにきっちり収まる。そして再び腰が下ろされて、ぐっとはまった。

「うぁああ!!」
先よりも強い刺激にイレブンは途中から声を失った。叫び声をあげる余裕もない快感に意識が吹っ飛んだ。
だがカミュはそれで満足をしない。

「もっと可愛い声だせるよな?」

まだ僅かに逃げようと浮かせていた腰をベッドに押し付けて、グリグリとゆする。
「やッあああ!!ッあ!あッ!!」
あたまをふり暴れ回るが、カミュは縛った腕を抑え込み、脚は脚で押さえつける。

「だめぇええ!!!」
「なあ、イけよ。」

抵抗のつもりで腰を振ったがそれは余計に気持ちがイイだけだった。次第にイレブンのペニスが固くなっていく。カミュはそれを嬉しそうに見た。
「興奮してんだ。あの責め具で。俺に、こんな風に凌辱されて。」
「してなぃ…!」
何を言っても嘘にしかならない。イレブンはすでにどろどろで、白い肌を昂揚させている。
「もっと気持ちよくしてやるからな。」

用意していた布でイレブンを目隠しした。
「はぁ…はぁ」
「見えない方が良いことだっていっぱいあるだろ?」
ゆっくりと口づけてやる。
「うッ…」
イレブンは体を震わせ怯えるが、触れていると馴染んでくる。溢れている涎も全部舐め上げてやって、唇をしゃぶるように。それから首の血管なぞる様に舌を這わせ、鎖骨をしゃぶる。それは愛撫というよりは肉を味わう獣のようだった。
固く赤くなっている乳首をじらすように舌先で舐める。
「きゃんッ!」
体をビクンを跳ねさせるが、それは責め具の刺激にしかならなかった。浮いた腰がベッドに落ちるたびに恐ろしい快感に苛まれる。
暫く舐めていると「ぁん」とイレブンはより悩ましい声で啼く。ペロペロと、そしてクチュクチュとしゃぶってから、甘噛みし、吸い付くように引っ張る。愛撫後の乳首は真っ赤に腫れていて、いやらしい。
うっすらとした腹筋の割れ目をなぞってから、臍を舐めて、そして至る。

「何時もは全然触らせてくれねぇからな。」

ピクピクと震えている。先からは透明の蜜が溢れていて、その奥ではきっと彼の精子が出ていくのを待っている。
「震えてる。寒いのか?」
暖めてやるよ、とカミュはイレブンのペニスにしゃぶりついた。

「ッああ!や、やぁだ…!!」
目隠しをしているイレブンには、その水音がより大きく聞こえただろう。わざと音を上げてじゅぽじゅぽとしゃぶる。吸い付き、吸い上げては先をペロっと舐めて、スジを刺激し、睾丸もしゃぶってからまた亀頭に食いつく。
「やん、あんッ、あ、あぁ…ッ」
その間、イレブンは喘ぎ続け、腰を振り、尻からの快感と性器への快感に挟まれて、逃げることも出来ずに追い込まれていく。

「だいぶ固くなったな。」
指ではじくとプルプルと震える。恥ずかしいほどにそそり立っているのを見ずに済んだのは幸いだろうか。
「とりあえず一回雌キメようぜ?」
先と同じように腰を押さえつけられてグリグリと揺さぶられた。
「やぁッ!や、や、やんッ!い、いっ…!」
「気持ちイイんだな。可愛く喘ぎやがってよ。」
振られて蜜はほとばしる。白い腹を汚していく。
カミュはそれを愛おしく見ていた。
穢れていく肌、それは今恋人に凌辱されているイレブンそのものに思えた。
自分は今、恋人を犯している。快感を押し付けることは暴力だと解っている。
だが、それにより支配していると思う。

今、恋人を支配している。それが、カミュにとって最高の快楽だ。

「ンッは、はぁ…やん、やぁッイ、イっちゃ、ぅう!!!」

腰を押さえつけているのに、背中が反った。縛られた腕が力み縄がギシギシと音を立てる。
恋人には押さえつけられているだけだ。
中に異物を入れられ、それを押し付けられているだけで乱れ、よがり、はしたない姿をさらす。自ら腰を振る姿は恋人の目の前で、まるで自慰にふけっているようなそんな様にも見える。

「い、ぁッ、ああああ!!」

イった。だが止めない。
カミュは揺さぶり続けた。イレブンの脚が力み体を丸めようとするのを脚で抑えて、もう一度絶頂をキメさせる。
「ッああ!!!むり…いっちゃう、イっちゃあうううう!」

ビクン

体を大きく跳ねさせた。その後も小刻みに震え、腰をびくつかせている。
カミュは漸く動きを止め、脱力した淫靡な姿を観察した。
口元は涎でドロドロだし、肌も汗をかき、押さえつけていた腰は真っ赤だ。
きっと今頃イレブンの秘部は快楽を与えてくれる責め具をちゅぷちゅぷとしゃぶっていることだろう。
早く自分もそんな風にしゃぶられたい。
だがカミュが見たいものは他にもある。焦る必要はない。

「なぁ、お前の雄も見せて。」
「ッはぁ…はぁ」
「責め具、気持ち良かっただろ?お前のペニスももうギンギンだし、出したいよな?」

イレブンは一切返事をしない。出来ないんだろう。まだ快感の中にいるはずだから。
ぎっちり咥えこんでいる穴に指をつっこむのは得策ではない。
カミュは脱力しきったイレブンの上体を持ち上げて、中の責め具が入口近くまで出てくるようにゆすった。前立腺のすぐそこにそのポイントがあるはずだが、イレブンの場合は少しだけ下から責めた方がイイらしい。そんなことだってカミュは知り尽くしている。
そして再び、腰を押し付ける。
「ッやぁあああ!!」
息が整って来ていたイレブンは再び喚くような嬌声を上げた。体をこわばらせビクビクする。優しく、優しくゆっくりと力を入れて、そのポイントを責める。
「出そう?」
「はぁ…あ、あぁあああ、でちゃぅ」
「出そうぜ?すっげぇ気持ちがいいぜ?」
声で煽っていく。
「イレブンはシコられるより中から押し出される方が好きだもんな。」
「ッ」
「自分じゃ気持ちよくなれねぇんだよな?俺に恥ずかしい思いさせられるのが好きなんだよな?」
「あッ、あッ」
「俺がいねぇとナニの一つもできねぇお前の体はもう、俺なしじゃ気持ちよくなれねぇんだぜ?恋人に、こんなに淫乱な体にさせられて。恥ずかしいよな。でも最高に可愛いぜ?」
「んふッ…はあ、イく…でちゃッう」
「イくっていえよ。」
「ッあぁ…はぁ、いく、いくッ!、あ。うっ…ぁはん」

そう声を漏らして、射精した。
カミュの半分にも満たない精液がイレブンの腹を汚す。
それを見て笑う。

カミュがイレブンに与えるものは、愛だけではない。
無論愛しているのだけれど、甘く甘く毒を仕込む。
誰にでも心を赦してしまう恋人だから、体に刷り込んだ。

「もう、女何か抱きようもないよな。俺以外じゃ満足できねぇモンな。」

支配欲に流されるまま彼の体をいじくり倒した。結果、イレブンの雄が役に立たなくなったとしても構わない。カミュはその雄の部分だって愛おしい。精を放ち、蠢く睾丸を優しくなでてやった。

「恥ずかしいの楽しかっただろ?可愛いお前に、俺ももう限界だ。」

自身の猛るペニスを白い指で触らせる。びくッと手が引いたが、その後、恐る恐る触る。
「お前の痴態で、お前好みのサイズまででかくなったぜ?欲しいよな。」
「ん…」
「ずっと責め具だけであんあん言ってたんだもんな。俺のでガンガン突かれて、中に一杯欲しいんだよな?」
「ッ…かみゅ…」

ペニスに触れる指が少しずつ大胆になったのを見て愛しい。

「とりあえず、入ってるの出すか。けど。」

イレブンの髪を掴み、自分のものをその唇へ宛がわせ、何をさせるか暗示させる。
「出したら、すぐに欲しがっちまうからな。出す前に、その口でたっぷり味わえよ。」
縛っていた手の縄を少し緩め、ベッドにつかせて四つん這いにさせる。
どろどろの唇に指を突っ込むと、不器用にチロチロ舐めてくる。指を引き抜くと物欲しそうに口を開いた。
「大人しく口開けてればいいだけだからな?」
「ッ」

イレブンの髪を乱暴につかみ、カミュは膝立ちになって、ゆっくりと赤い唇へ自分のペニスを押し込んだ。
「ッぐ」
昔は殆ど入らなかったのに、最近は半分くらいまでなら入るようになって来たことに愉悦する。カミュはゆっくりと腰を動かし、その喉を犯した。咥内は熱く、溶けるようだ。カウパーと唾液が、狭い場所で交じり合い、グボッグボっと卑猥とも言えない音がたっている。目隠しの下から涙があふれて、唾液があふれ出た。
一度引き抜き、顎を休めてやる。
「ッあ…あぁ…。」
「まだいけるよな。」
宥めるようにキスをしてやり、再びそれを繰り返す。苦しそうな声を上げながらそれを受け止め、しまいには律動に合わせ僅かに腰を振る姿にカミュは満足感を得る。
「んッぐ」
緩慢な律動の途中、急にイレブン体がこわばったのを見て、どぅぷりと引き抜いてやると、咽ながらも甘い声を漏らし身を捩った。
「あ、あぅッ…んッ」
腰を振り、体を震えさせて何かに耐えるようにしている。
「ナカのイイとこ掠った?」
「ッん」
「お前がイラマされてんのに腰振るからだぜ?」
「あ…あう…」

もう少し続けたいところだったが、この状況でイかれてはどうなるか分かったものではないし、これ以上続ければ咥内で出してしまいそうだったので、今日のところは終えてやり、責め具を取り出してやることにした。
「とってやるからな?そしたらちゃんと入れてやるから。」
カミュは口角を上げる。
「入れるのは楽だったけど、出すのはどうだろうな。」

イレブンの体を起こして、向かい合うように自分の脚の上に座らせる。膝を出来るだけ抱え込むようにして体を丸くする。ぎゅうぎゅうに締め付けている秘部の周りを刺激しつつ、オイルたっぷりの人差し指でぷすりと中に侵入する。
「あッ」
責め具はすぐそこにある。だが。
「指一本じゃとれねぇよな?」
中指を足し2本に増やす。
「ッ!」
球体のそれを2本の指で取り出すようにしながら、転がしてやる。
「はぁッ」
時折奥へと持ち上げつつ、指と玉で刺激する。玉が上に突かれる度に重さで落ちてきては入口近くの内壁をボコボコと刺激した。
「ッ、あ、あ、は」
「2本でも中々とれねぇな。じゃあ3本にするか。」
「ッあああ」
3本目に入れたのは親指だ。普段は薬指なのだが、球体を掴むには親指の方が役に立つし、穴もよりよく広げられる。

「…おしり…ひろがっちゃうッ…」
イレブンが久しぶりに言葉らしい言葉を発したが、まるで誰かに何かをされているようではない口調で、カミュの耳には喜んでいるように聞こえた。
「ちゃんととってやるからな。」
3本の指で球体を捉える。イレブンの穴は広がってしまった。
ぬぷり。
「ひゃぁあんッ!」
カミュは潔くそれを取り出してやった。

イレブンの穴は大事な刺激を失って、喪失感に暮れるように広がったままだ。
「寂しいよな?今入れてやるから。」

イレブンをうつ伏せにしてカミュは双丘を掴み、広がりっぱなしの穴へ滾り過ぎたペニスを宛がう。
「んふッ」
先ほどの球体よりもデカイ亀頭をぶちゅりと入れて、腰を尻にあてがうように押し進める。球が当たっていなかった場所はぎちぎちだったが、熱いペニスをぐんぐんと飲み込んだ。

「ッあああ!」
狭まった奥に熱い亀頭が乗り込んで、ぎゅうぎゅと締め付ける。それは拒否のようで歓迎でもある。あまりの気持ちよさに先走りが溢れる。そして中を溶かしていく。
「イレブン…本当に、俺達の体は相性最高だよな。こんなに気持ちがいいなんて、お前以外は本当に考えられねぇ。今すぐ出したいけど、ちゃんとお前のこと気持ちよくしてからにするからな。」

カミュは奥に入ったものが抜けないようにイレブンの腰を抱きつつ姿勢を直す。膝立ちの腰に体を預けさせて、それから、ゆっくりと腰を動かし始める。
「あああ、」
抜ける感覚、突きあげられる感覚。どちらも最高に気持ちがいい。
イレブンは溶けた脳みそにその快楽を刻み込んでいく。

「あん…」
ゆっくりとしたピストンを、段々早める。

パン、パン

2人だけの部屋には肌のぶつかる音が響く。
広がっていた入口もすっかりきつく締め始め、奥の肉壁もしゃぶるように蠢く。
ぬちゃぬちゃという音はオイルだけではなく、カミュの溢れるカウパーでもあり、先ほど喉で愛撫させた際のイレブンの唾液でもある。全てが混ざり合っていく。
カミュは時には奥をごりごりするように押し付け、時にはメスポイントを刺激しながら3度目のメスへ高める。
「あぁ、あん…かみゅ…」
「気持ちいいか?」
「ん、イイ…きもちイイ…ッあ!」
「奥突かれるの気持ちがいいんだ?」
「ぅ…ん…」

カミュは唐突にゴリゴリとメスポイントを責めた。
「やああああ!!!」
2度キメた体はすぐに限界を訴えた。
「イ、っちゃうッ!」
そこでピタリと止める。

「ッはぁ、はぁ…かみゅ…」
「なぁイレブン。今、お前、縛られて、目隠しされてんだぜ?それでいいよの一言も言わないままガン突きされてイっちゃうんだろ?」
責める言葉だが口調は優しい。
「お前、本当にたまんねぇな。淫乱らしく、ずっと、俺のもん咥えてろよ。」
「ん…」
「ずっと、気持ちよくさせてやるから。」

再びピストンを始める。
「あん…かみゅ」
前立腺を責める。ごりゅごりゅとせめて、言葉を奪う。
「やぁああああ!!イっっちゃぅ!!」

ビクンと背中を反らせて締め付けてきた。
白い背中に噛みつきながら、カミュは奥の奥で精子を吐いた。
それは、びゅるびゅる、とカミュ本人が思うよりも多く、濃く、イレブンはその感覚に甘い声で啼いた。

抜けない様にしつつ体位を変える。イレブンの腹の下に枕を入れて、縛った腕を背に乗せる。寝そべるように怠惰に繋がる。一回で萎える気がしない。何と言っても目の前にあるのは、最高に気持ちが良くて、凌辱に文句の一言も言わない淫乱な恋人だ。1度や2度では納得も満足も出来ない。
「はぁはぁ」
「イレブン、気持ちイイか?」
「んぅ…ん」
イレブンの中は先ほどの精子で満ちている。だが。
「まだ物足りないだろ?もっと欲しいだろ?」
「ん」

カミュは再び動き出す。
さっきよりもぐちゅぐちゅと音がする。結合部分からは先ほど出した精子が溢れてきて、それをまた中へ戻すように塗りたくりながら続ける。

「ほら、ちゃんと精子飲めよ。」
「ッ、あんッ、あんッ」
尻を両手で鷲掴みにしながら中をゴリゴリと責めつづける。中のイイ場所全てを刺激するように、中の形を味わうようにじっくりと動き、はたまた荒らすように乱暴に刺激し、イレブンは再度絶頂を訴える。
「あー…イく…イぐッ!」
奥の奥を突き刺すようにガンガンと突くと、うぐッと違う声を漏らす。穴がギュッと締まる。
「ヤバいとこ当たった?」
「あ…あ…はぁ、はぁ・・・」
イレブンの息が整わないうちに再び激しいピストンで責める。
「あんッ!んッ!」
体を出来るだけ密着させながらの律動は、熱や汗を全身で感じられて気持ちがいい。まるで体に刷り込んでいるような感覚の陥ることができる。
少しも経たないうちに、
「やッ、んぁッ!」
イくとも言えずにビクンと震えた。穴の締まりは相変わらず良い。どうやら雌イキしたらしい。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「また一人で気持ちよくなりやがって。こっちはまだ1発だってのに。」

カミュはイレブンの縛っている腕を引っ張った。
接点である秘部に圧が掛かり、イレブンの背が反る。
「やああ!」
「このまま2発出させろよ。」
「ッあ」
否定する気力もないはずだ。カミュはただ腰を振った。恋人を気持ちよくさせる気はなく、恋人の中で気持ち良くなるために。
それはまさしく、犯している姿だ。

じゅぱじゅぱとオイルとカウパーと精子が混ざり合い、結合部で音を立てている。
「やぁ…やぁああ…」
イレブンの声が喘ぎ声から嗚咽に変わる。カミュは口角を上げる。より気持ちよくなる。
「あぁ、あぁあ…」
犯されているのに穴は締まる。
「犯されてても感じるんだな。これはまだ調教不足かもしれねぇな。」
「んあッ」
言葉に反応してぎゅっと締まった。カミュはその圧に二度目の精を放つ。
どぴゅっと中に出すと白い体がビクンビクンと痙攣する。中で精を感じている証拠だ。
「犯されて、ナマで中出しされて、それで気持ちよくなるなんて淫乱極まりねぇな。」
「んぅ…」
「ほら、もう一発ちゃんと受け止めろよ?」

ピストンを再開する。カミュの滾ったペニスを咥えるので必死なイレブンの中は、カミュの精子2回分をためておける場所などない。突くと出した精子が溢れてくる。カミュは気にせず突き続ける。溢れてきた精子がイレブンのペニスを伝ってベッドに滴れていく。
一度イレブンの腕を離してやる。ぐったりと崩れるがきつく締まった穴は、カミュのペニスを咥えたまま離れる気配はない。
「素直で可愛いじゃねぇか。ココ、もう一回気持ちよくしてやるな?」
カミュはイレブンのペニスに精液をこすりつける様に扱いた。
「やゃあああ!!」
一瞬にして熱を帯びる。固さも増す。
「お前ももう1発だそうぜ?」
「あんぅ」

再びイレブンの腕をつかみ、腰を突き出す。もう抜けないのではないかと言わんばかりにきつく締め上げて、カミュのモノも再び熱を帯びる。イレブンの中でムクムクと育ち、それにイレブンは興奮したのか、動いても居ないのに喘ぎだした。
「あー…んぅ…あッ…」
「最後は一緒に行こうぜ?」
亀頭ギリギリまで抜いてはゆっくりと一番奥まで挿す。大きなストロークで抽挿し、ペニスはより重みを増す。すっかり広がってしまったイレブンの穴が締め付ける必要もないほどの質量になる。その頃にはイレブンも再びあんあんと可愛く啼き始めていた。
カミュはイレブンの腹に腕を回して、上体を起こす。重力でカミュの腰にぐっとはまりビクンを体がはねた。
「一緒だからな?」
カミュはイレブンのペニスを優しく握る。そして、激しく腰を振った。
「ゃあああ!!」
雌の声を出して、体を大きく跳ねさせる。
「あ、あああああああ、あああ」
耐えるような声に変わればあと少しだ。
斜め下からの激しいストローク。カミュはイレブンのペニスから手を離し、腰をぐっと掴む。
「いく…いくッ、いくッ!」
ペニスから蜜が溢れ、ポタポタとシーツの上にこぼれている。尻からはカミュの精子が垂れている。
「イレブン。」

「やぁああああ、かみゅ、かみゅッ!!んッ、あぁッ、い…ちゃ…ぅんッ!あぁッ、ぐ」

ビュっとシーツに精液が落ちた。イレブンも脱力しベッドに倒れ込む。
カミュは腰を突出す。
「ッ」

イレブンの奥の、奥の、気持ちがいいところに、3回目の吐精をした。

「ッあっ…あぁッん…」

その感覚にイレブンは最後の雌絶頂をキメた。

力を失い転がっている白い男は、まるで人形だ。
カミュは息を整えつつ、ゆっくりと自身を抜いた。
イレブンの穴はすっかり広く、カミュの形になっていた。尻をつかむとビクンと締まり、どぴゅッと精液が溢れ、どろどろとこぼれる。そして再びだらしなく口を開く。

今日もこの体を支配してやった。

カミュは満足して嗤った。





目を覚ますとベッドの中だった。
腰が猛烈に痛い。目の前には優しい恋人の姿がある。
「目、覚めたか?」
「カミュ…僕…」

男は優しい笑みを浮かべる。
「疲れてるだろ?水飲むか?」
「うぅん、大丈夫。ねぇ昨日も…その」
髪を梳くように撫でられた。
「ああ、気持ち良かったな。覚えてないか?」
「ごめん。」

謝る姿に笑みを耐える。

覚えているわけがない。
この無垢な恋人を縛り上げるために使った薬は、1時間ほどの記憶がすっ飛んでしまうのだから。
だからイレブンは、自分が恋人に犯されていることも知らないし、責め具で善がった記憶だってない。
でも、体だけが覚えている。
あの責め具を見せればイレブンはそれが何か知らないまま怯えるだろう。
そして、悦んでしまうんだ。

それは、カミュが恋人に仕組んだ毒そのものだ。甘い毒。

「まぁ、いつものように可愛かったぜ?」
「や、やだそういうの…でも、君が満足なら僕はいいよそれで。」

盛られた毒にも、恋人の狂気にも気付かない。

カミュは微笑む振りをして、悪く笑った。







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