わるいゆめのよっち
初出:べったー/2017-12-23

冒頭の注意書きは念のため残してみました






【全力土下座タイム】3ds版はほぼやってないので、ヨッチ族の記憶があいまいです。そして全世界のヨッチ族ファンを敵に回すようなことをさせてしまいました。ヨッチ族は変なことしないもん!な方は本当にターンバックして下さい。宜しくお願いいたします。【その他注意書き】雌・変態・淫乱・触手責め(未遂)・文句は受け付けられません…!!





「イレブン…。」
「カミュ…。」

「(夢、だよね?)」
イレブンには自覚があった。
夢のはずだ。
覆いかぶされるようにされて、優しい目で見つめられている。
お互い何も身に着けていないし、カミュの首飾りが胸にあたってひやりとするのも本物のような感覚がある。

優しい声で名前を呼ばれて、夢なのだけれどやっぱりうっとりしてしまう。
「もっと、呼んで。」
「(うわあああ、僕、何言ってんの!?)」

イレブンには干渉出来ないらしい。夢の中の自分が、普段では言えないようなことを口にしているのを見ているしかない。

「そんなに甘えん坊だったか?」
「だって…カミュに呼ばれるの、気持ちがいいの。すごく好きなんだ。」
「(そ、そうだけど!ちょっと、僕!)」

自分の本音を見せつけられている気がして本当に恥ずかしくて目を逸らしたいのだけれど、夢の中の自分はカミュから視線を移す気配はない。
「そうだったんだな。けど、もっと好きで、もっと気持ちがいい事、知ってるだろ?どっちが好き?」
「どっちも好き。」
「全く、欲張りだなイレブンは。…いいぜ、どっちも一杯与えてやるからな。」
「…うん。カミュ、ちゅーして。」
「(わぁあああ!!!)」
「幾らでも。」

唇が近づいてくる。

そこで漸く夢の中のイレブンは目を瞑ったらしい。

カミュとキスしたこともあるし、それこそ、気持ちがいいことも何度もした。けれど、現実じゃないカミュとキスをするなんて、何となく背徳的だ。
きっとカミュにこの夢の話をしたら、はあ?と言って3倍してやる、とか言いだし、たっぷりキスをしてくるだろう。…それも嫌ではないのだけれど。

兎に角、恋人のハズの人から、背徳的なキスをされるなんて、心臓が破裂しそうなほどに緊張した。

「(まだ、なのかな)」

目を瞑って暫くしたが、触れる気配がない。それとも夢だからか?
夢の中のイレブンもどうしたものかと思ったのか、そっと目を開いた。

そこには。

「あれ?ヨッチ族?」

白い妖精さんが居た。

あれ?カミュは?
と、独り言を言おうとしたところ、

にゅッ

口にヨッチ族の腕と思われる触手が侵入してきた。

「!?」

温かいとも冷たいともつかないものが、舌を弄るようにコネコネしてくる。
「んんー!」

どかそうと腕を上げようとしたところ、気づいた。

両腕、両足、共に、ヨッチ族が乗っかっている。
「!?」
腕と思しきものをグルグル巻きにして、離す素振りはない。そして何を言うでもない。
「んッ!」
舌を弄られつつも何とか声を出そうともがいていると、右手の方からヨッチ族の一団がやってくる。

「ほうほう、これが勇者サマか!」
「よーし、その勇気にあやかるべく、いっぱい勇者サマの体を弄るっチ!」

「!!!!!」

こんなのヨッチ族じゃない!もっと可愛いし、純粋だし、素直だもん!
イレブンはバタバタと抵抗した。そこで気づいた。
すっかり体の支配権は自分にある。あの、カミュとイチャイチャしていたもう一人の自分ではない。

つまり、これからヨッチ族にあれこれ弄られるのは、あのイレブンではなく、自分自身だと気づく。
「んッ!!」
「長老いわく、恥ずかしい状況になればなるほど、勇気が試されるッチ!恥ずかしい状況を作ると、勇者サマの真の勇気を拝めるッチ!」
「がんばるッチー!」
「おー!」

頑張らなくていい!
僅かでも触手が無くなった瞬間を狙って誤解を解こうと思ったのだけれど、それどころか口の中にはもう一本、ほかの個体が侵入してきた。
胸の上に立って口を攻めてくるヨッチのせいで良く見えないが、どうやら下半身側には数体いるらしい。しかもいつの間にか上着が無くなっている。ということは・・・?

「ニンゲンは、ここが弱点らしいッチ!」
「よーし、勇者サマの勇気を拝むぞー!」

ここが、といってツンとされる。体が反射的にビクンとなった。
そこは駄目だ、だめなところだ。全ての人間の男の弱点だろう、多分。

「ん!ん!」

「ここの奥に何やらあるッチ!」
「ちょっと探ってみるッチ!」

「んー!!!」

それより奥ってどこか?考えるまでもない。
ヨッチ達の腕の触れる感触は、カミュがいつも触れるのにちょっと似ている。だからこそ体がビクビクと反応し、熱くなる。

「総員しゅうごう!」

弱点を責めていたヨッチが号令をかけると、口を支配していたヨッチたちも下半身へ集まっていく。
「どうやら、ここの奥が一番恥ずかしいらしいッチ。みんなで試すッチ!」
「おー!」

漸く口が解放されて、イレブンは咽ながら、叫んだ。

「だめ!そこは、だめなの!」
「勇者サマが恥じらっていらっしゃるッチ!」
「ほんとだー。」
「じゃあやっぱりここが…」

恥ずかしいのには違いない。けれど、一番嫌だったことは。


「そこは、カミュ以外駄目なの!カミュ専用なの!」


あれだけ可愛がってきたヨッチ達にあらぬことをされる恐怖で、自分でも大概恥ずかしい台詞を叫んだものだと、イレブン自身も思っていた。

「かみゅ専用?どういう意味ッチ?」
「けど、恥ずかしいオーラはここから感じるッチ。とりあえず、入れて」


「うわあああああ!!」


イレブンは飛び起きた。
そこで、漸く悪夢から解放された。



辺りを見回すと、驚いて困惑しているカミュが居る。

「はぁ、はぁ、はぁ」
「大丈夫か?水でも飲むか?」

ひょい、と渡されて礼を述べてから一口飲む。
冷たい。
ああ、自分の体だ、と実感した。

「ありがとう、カミュ…。」

再び礼を述べて水を返した。カミュはそれを近くのテーブルに置いて、イレブンのベッドにゆっくりと腰かけた。

「なあ?」
「な、なに?」


「どんな夢見てたんだ?」

「え?」

カミュの顔を見る。それは心配している顔ではなかった。
そう、少しいじわるな顔。

「え、ぼ、ぼく、何か言ってた?」

イレブンは思い出す。夢の最初は甘ったるい言葉を並べていたし、後半は…思い返したくもない。

「…何も、言ってなかったよね?」

そんなわけはないと思いつつ、問い返してみる。言ってなかった、と言わせるための誘導尋問みたいなものだ。けれど、効果はないらしい。

「まぁそんなには。」
「そんなにって。ちょっとは言ってたってこと…?まさかね?」
「いや、言ってた。」

「な、なにを…?」

何故それを聞いてしまったのか、イレブンも解らなかった。

確かな事は、カミュが嬉しそうに悪い顔をしたということ。
そして、

「『カミュ以外駄目なの、カミュ専用なの』って。」


よりによって一番聞かれたくなかった台詞を口走っていたことだった。

「そ、それは…。」
「ははー、覚えてるって顔してるな?」
「え、あ、ど、どうかな、はは、別に、いや、その短剣とかさ、他の人も装備出来るけどやっぱりカミュかなt」
「嘘つけ。」

カミュの右腕が伸びてきて、頭を引き寄せられる。
唇がすぐそこにある。夢でお預けにされた唇だ。
それに、今は意地悪だけれど、青くて優しい目。

夢の前半部分のせいで、何時もよりカミュがかっこよく見える。
お蔭でちょっとだけ理性が緩む。

「なあ、何が俺専用なんだって?」
「あの…えと…うぅ…。」

嘘をつくのが上手ければ良かったのだけれど、苦手だった。カミュはそんなイレブンそんなところも好きだった。こうしてからかってしまうのも好きだからこそ、だ。

「ちゃんと言ってくれたら、キスしてやるぜ?」
「う…。」
「キスして欲しそうな顔してる。そうだろ?」
「う、うん…。キスしてほしい…。」
「じゃあ言ってくれよ。」

追い詰められて、イレブンは少しの沈黙の後小さく答えた。

「ぼ…ぼくの、だいじな、ところ…。カミュと…えっちするとこ…。」

恥ずかしさのあまり叫びそうになるのを、キスで遮られた。
ああ、あの時お預けにされたキスだ。
熱くて、やわらかくて、トロトロになれるキス。

「カミュ…。」
「あー、もう、朝から発情しねぇように気を付けてんのによ。お前の性だぜ?」

イレブンはベッドに押し倒された。

「カミュ?」
「で、夢の中で何に襲われてたんだ?」
「え…その…よっち…。」
「はあ?」
「本当なんだって!絶対変だったよ!」
「そりゃお前が淫乱だから、お前の中で淫乱なヨッチになったんじゃねぇの?」
「ちがうよ!君みたいなことしてたもん!君のせいだよ!」
「そいつはどうだろうな。…俺にされるみたいに触られるのが好きってことだろ?」

悪夢に汗ばんだ体のカミュの手が這う。

「どうせ、淫夢で色んなとこ興奮してんだろ?手短になっちまうけど、だけど俺専用を差し出してくれよ。」

さっくりとズボンを下ろされる。汗だくのシャツも脱がされて、カミュもズボンを下ろした。
「ッ!」
「起ってるに決まってんだろ。朝だし。」
「まって」
「オイルで解してる間に覚悟しろよ。誘ったのお前だからな。」

準備良くすぐそこに置いてあって、カミュは慣れた手つきでオイルを取り、まだ動揺しているイレブンの中に指を入れる。

「ッあ」
「すっげぇ。何か緩くないか?そんなに滅茶苦茶にされたのか?」
「されてない!…寸前で起きたから。」
「そうだったのか。ま、解すの手間かからなくていいな。」

秘部をぬたぬたにされて、なし崩し的にカミュを受け入れる姿勢を作らされる。熱いカミュのものがグリグリと刺激しながら中へ入ってきた。
「ぁ…かたぃ…」
「お前、寝言さえエロいから、マジで耐えられねぇよ。ぶっちゃけ、お前の寝言で抜けるかと思った。」
「ぼく・・そんなに、いってた…?」
「何か、すげぇ『はぁはぁ』してた。魘されてるなって心配した途端に、俺専用宣言だったから、ちょっと安心したけどな。動くぜ?」

どちゅん。

「っああ!」
「締まった。…朝一、結構好きか?」
「ちがう…カミュが、きもちいから…」
「そうやって煽る…抑えねぇからな。」

ばちゅん ばちゅん

「あぁああん!」

どちゅどちゅどちゅ、
じゅぷじゅぷじゅぷ

「イイとこゴリゴリしてやるから、雌見せろよ?」
「あ、あ、あっ…!」

ごりゅごりゅ

イレブンの体が浮く。背を反らし、シーツを掴む。
カミュは一心不乱にイイ場所を責め続けた。

ぎゅん、っと穴が締まる。カリが擦れて最高に気持ちがいい。
「あぁ…イきそう。イけそうか?」
「う、うー、うー」
腰を掴み、奥も責めた。ビクンと腰を震わせて抜き挿しの繰り返されている口からはカミュの先走りが泡立って出てくる。

「ああ!ああ!!イっくぅ!イっちゃうぅうう!!」

ばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅ、

ごりゅん。

「ッああああ!!!イ…ッ」

ギュッと締まる。イったらしい。カミュの熱を手放すまいとするようにも見えるし、全ての熱を絞り出そうとしているようにも見える。

「イレブンッ…」

どちゅん。

カミュは奥を突きあげながら吐精した。

「はあッ、あっ、あん・・・あんっ…」

2人ともはぁはぁと胸で息をして、何となく笑いあう。
「朝、イくの早くねぇか?」
「カミュのほうが早い…。」
「これから朝にするか?」
「やだ…。」
「だよな。」

今日も予定は山積みだ。愛おしいけれど無理はさせられない。
カミュは寝起き一番に無理をさせた恋人にキスをして、始末に入る。
イレブンはぐったりと意識を飛ばした。

流石に淫夢は見なかった。







「ねぇ、最近ヨッチ族のところ行かないわね。重荷?」
「ちがうよ…別に彼らは何も悪くないんだけど、ちょっと気が引けてさ。」


暫く、近寄ることはなかった。





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